100-1.パン粉でドーナツ
*・*・*
さてさて、今日はリンお兄ちゃんのところへ行ってお米の炊き方を研究するわけだけども。
手土産に一つくらいは、と思いお昼の準備が終わってから急いで材料を取り揃えた。
「何を作るんだい、チャロナくん?」
「余りがちなパン粉を使って、ドーナツを作ろうかと」
「え、パン粉でドーナツ?」
「はい。もちもちしてて美味しいんですよ〜」
『ドーナツぅ、ドーナツでふぅうう!』
この世界にも、コロッケ同様に揚げ物にはドーナツが存在している。
どっちかというと、悪食の影響のせいで『ケーキドーナツ』という食べ応えがあるドーナツしか知られていないが。
前に作った、あんドーナツも合わせて、今日はパン粉を使ったシュガードーナツを作ろうと思います。
パン粉
卵
薄力粉
砂糖
牛乳
揚げ油
トッピング用の粉砂糖、ココアシュガー
ホットケーキミックスがないから、この材料で作っていこうと思います。
「まずは、パン粉と卵を混ぜて」
泡立て器で混ぜても、まとまらなかったら水か牛乳で調整。
「次にこれに薄力粉を加えてまた混ぜて」
硬さと量を調整していくが、これもまとまりにくかったら水か牛乳で調整していく。
「今のうちに、ロティ?」
『でっふ! んぅうううう、フライヤー!』
先にハイタッチで余剰魔力を渡してからフライヤーに変身してもらい。今のうちに油の温度を上げておく。
「砂糖を混ぜてまとめて、二センチほどに丸くして。油の温度が上がったら衣がわりに薄力粉を少しまとわせて」
油の中にIN!
「わっかは作らないんだね?」
「それも面白いですけど、今日はこれで」
ツイストドーナツも今度作ってみたいけど、今日は手軽につまめる方がいいかなと思い、ポップ型のドーナツにしたわけだ。あんドーナツもあるから、軽めの方がいいだろうし?
揚がったら熱いうちに、グラニュー糖やココアシュガーをたっぷり振りかけて完成だ!
「シェトラスさん、エイマーさん。どうぞ」
「「いただきます」」
レイ君とロティは、一緒に行くので味見はキャンセルさせて。
まだ暖かいドーナツをおふたりとも丁寧に手に取って、カプッとひと口!
「! パン粉が入ってるのが気にならないくらい美味しい!」
「ふむ。あんドーナツともまた違う味わい……普通のドーナツと比べても段違いに美味しいね!」
「ありがとうございます」
『ロティもはにゃく食べちゃいでふ〜』
「リンお兄ちゃん達のとこに着いてからね?」
『にゅ〜』
それと、揚げ方をもう一度見ていただいてから。今日のおやつ担当のことをお願いして、私は一度着替えて
「お待たせー」
「大丈夫よん」
『ドーナツぅ……ドーナツ』
「ロティちゃんどうしたの?」
『差し入れ用のドーナツ味見してないんでやんすよ』
「あら。けど、もうちょっと我慢よ〜?」
『でふぅうううう』
二日続けての馬車だが、今日は急ぎということもあり、昨日と同じく転移方陣を使ってリュシアに向かい。
到着したら、今日も相変わらず人混みが凄いので。
ロティはレイ君が抱っこする形になった。
『ロティはしっかりお守りするでやんすよ!』
『にゅー』
「お願いね?」
で、駐車場から出来るだけ急いで、お店に向かい。
出迎えには、先に到達してたシュライゼン様がダッシュで私の方に向かってきた!
「二日ぶりなんだぞ〜〜!」
「う、わ!」
「ちょっと、シュラ! チーちゃんが潰れるわよ!」
「ふふ〜〜ん!」
シャルロッテ様という婚約者様がいるのに、私に抱きつくのはいいのかと思っても。
シュライゼン様はきっとお兄ちゃんだから、というかもしれない。
ただ一つ、今日思ったのは。
夢に出てきたお父さんらしき人の声が、どことなく……シュライゼン様のお父様でいらっしゃるアインズさんと似ているような気がしたのだ。
多分、気のせいだけど。
「到着されましたか」
「ミュファンさん!」
今日も素敵に麗しいお兄さんであるミュファンさんが玄関から出てきた。その後に、リンお兄ちゃんも!
「準備はできていますよ。さ、チャロナさんはお着替えされてから」
「はい」
『でっふ』
前回と同じ個室でささっとコックスーツに着替えてから、全員で厨房に向かった。
「チャロナ。事前にシュライゼン様から伺ってはいたが、土鍋でうまく米が炊けるのか?」
「コツがいくつかあるんだよ、お兄ちゃん」
「ふむ」
さて、いよいよお米研究会の始まりだ!
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