【幕間】『プリンアラモードのレシピ』







 ★・☆・★







 軽やかな音楽が暗闇に響き渡り、ある一点に向かってスポットライトが当たる。


 そこには、作者こと櫛田が頭の部分にシルクハットを乗せている。



『プリン……つまりは、カスタードプティング。プティングとはイギリスで言う蒸し料理の総称らしく。有名なのだと、クリスマスプティングがある』



 ステッキが現れ、ポンっと音が立つと櫛田の上に美味しそうなプリンアラモードが浮いている。


 そして、後ろにはチャロナとマックスの登場。



「今回は夏には嬉しい、冷たいプリンアラモード!」


「あたしが一番食べたかったデザートよん!」


「はしゃいじゃうよね、悠花ゆうかさん!」


「チーちゃんの腕前なら、他のプリンもきっと出来るわ!」


「えへへ〜( ̄∇ ̄*)ゞ」


『仲良きことはいいことかな。とりあえず、作中にあったプリンアラモードを作っていこう』


「飾り付けの材料は、今回市販品で置き換えます」









『キラキラプリンアラモード』




 <材料>



《カスタードプリン》

 コロ牛乳(牛乳でも可)

 全卵

 卵黄(共に贅沢にコカトリス、そうでなくとも可)

 グラニュー糖

 バニラエッセンス




《カラメル用》

 グラニュー糖

 水



《トッピング》

 ホイップクリーム

 バニラアイス

 カットフルーツ

 ミントの葉



《道具》

 鍋

 プリン型

 深めの大きいバット






『普通のカスタードプリンなんで、ゼラチンとかはいらんざんす』


「要は、洋風茶碗蒸しですもんね」


「それがこれだけの材料であの味……すごいわねぇ?」


『とりあえず作っていこう』


「「おー!」」






《カラメル作り》

 ①鍋にグラニュー糖と水を入れて、中火にかける



 ②砂糖水が飴になり、さらに白い煙が出しながらキャラメル状に



 ③キャラメルがぼこぼこと沸き、煙がMAXになって5秒経ってから火を止め、すぐに分量外の止め水を入れる



 ④水を入れたキャラメルを再び火にかけて、濃度を調整してプリン型に流しいれて冷やしておく







『容赦なく煙が出てもノープロブレム! むしろ、香ばしさを出すにはここが重要。止め水も、躊躇せずに入れなくては美味しいカラメルにはなりませぬ』


「私も、前世ではよく失敗したなぁ……」


「チーちゃんでも?」


「私だって、前世から生産チートじゃないもの」


「それもそうね?」







《プリン液》

 ①ボウルに卵、グラニュー糖を入れてかき混ぜ、鍋で沸騰直前まで温めた牛乳を入れてかき混ぜる



 ②バニラエッセンスを加えたら、ザルで一度漉しておきます



 ③深さのあるバットに型を置き、そこにプリン液を注ぐ

 →浮かんでいる泡は、バーナーやおたま、エチレン入りの霧吹きで取り除くのもおもてなし






『異世界じゃ、まずエチレン入りの霧吹きってないから。炙るスコーチで消すかおたまで取り除くのがおススメかなぁ?』


「エチレンってなによ?」


「うーん……私も詳しくは知らないけど、化学薬品でもアルコールの一種だったかな?」


『厳密に言うと違うけど、食品加工業界においては間違っていないかも。要はエタノールと似てますん』




《焼く》

 ①バットに沸かしたお湯をプリン型の半分まで入れて、オーブンに



 ②蓋がわりに穴を数カ所空けたアルミホイルをかぶせ、160℃で30分蒸し焼きに



 ③焼き上がったら、冷却コールドでゆるく粗熱を取り、そのあとラップして冷蔵庫で冷やします




《盛り付け》

 ①冷やした器に、ゆっくりひっくり返したプリンを乗せる



 ②あとは、ホイップ、カットフルーツなどで好みの飾り付けをする






『ひえひえぷるぷるのプリンはもう格別! 書いてて食べたくなったぁああああ!』


「作家のサガよね?」


「私もまたプリン食べたくなった……」


『最後に注意。蒸し焼きの具合を見るには、バットを揺すって固まってるかどうかチェック!』


「今出来たプリンで食べましょう!」


「飾るわよぉおお!」




 三人の周りがだんだん暗くなっていく。

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