ラジオで短編『雨の向こうへ』 2話
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筆者からのコメント
第三者視点で書いていたら意味わからなくなったので、消して書き直しました!時間がかかってしまい、申し訳ない!お待たせしました!本編は下へ!
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中学校でできた親友に、彼氏ができた。しかも別の中学校。出会いは部活の交流会だった。
といっても、いわば合コンだった。私達は合唱部だったので、他校の合唱部との交流はあった。そのときに部長同士が連絡先を交換していたらしく、先生には内緒の非公式でカラオケに集まり、遊ぶというものだった。
親友はほとんど話していなかった。飲み物を飲みながら、周りを見てるだけ。
「私だけでもいっか」
一人でいるところを無理にはしゃがせるわけにはいかない。もともとそういうタイプではなかったし。
私は一人の男子と話した。見た目は少し怖めだが、話してみると意外と性格のいいやつだった。初めて、男子と話していて楽しかったかもしれない。まだ誰も好きになったことのなかった私は、すぐに彼に惹かれたのだと思う。他の人と明らかに違う、その変化は中学生が恋を感じるのに十分なものであった。
「はーい、補導されちゃうからね〜。今日は解散!」
そう言って交流会という名の合コンは終わった。……あいつの連絡先くらい聞いておこうかな。
その時、親友がえへへと笑った。
「何かあったの?」
「連絡先聞いちゃった♪」
「え、誰の?」
「
それは私が恋をした、恋を教えてくれた人の名前だった。それから二人が付き合い始めたのは、すぐのことだった。
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「なんでそんなことしたの?」
私は彼を叩きながら言う。その理由は、私の親友を流せたからに他ならない。あいつは流石にひどいことをした。許せなかった。……私を選ばなかったくせに、なぜ彼女を傷つけるのか。まぁこの思考は私の自己中でしかないのだけれど。
『お前が好きだからだよ』
親友を泣かせられたことに怒りを感じつつも、どこか嬉しい自分もいたのだ。ちゃんと私のことを見てくれていた。それが嬉しかった。でも、結局この時は返事をすることはなかった。それどころか、これ以降もそんな機会はなかった。そんな彼が今同じ高校で、同じクラスなのだ。
「久しぶり」
あの頃と変わらぬ声。
「今回は仲良くしようね」
私は直感的に、彼はまだ私のことが好きなのだとわかった。そして私もまた、彼のことが今だに好きだと言うことがわかってしまった。
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