黒
よだか
第一話
暗く、広い、どこかわからない場所に立っている。
これを道と呼んでもいいのか、私は戸惑ってしまう。
記憶が曖昧で、何故こんなところにいるのだろう。
「誰かいませんか」
できるだけ声を張ってみる。
返答はない。
私は段々と不安になってきて、黒い闇の中を歩きだす。
不安をかき消すように私は大声を上げる。
「誰か、だれかいませんか!!」
バクバクと私の心臓が早鐘を打つ。
怖い。
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