第3話
「……け、警察だ」
僕は、落ちているスマホを拾い上げ、警察に連絡しようとした。
スマホには、ゲームのアプリ(ポケ〇ンGO、ツム〇ム)や、出会い系と思しきアプリがインストールされている。
(今年で46にもなって、もう少しまとめな出会い探せよ……)
そんな風にも思ったが、今はそれどころじゃない。
受話器のマークをタッチして、番号を入力。
警察にコールする。
「おめっ、人のスマホで何してんだよ」
コール中の電話をむしり取られる。
「ったく、プライバシーの侵害だぞ」
またしても、状況が理解できずに固まる。
背後から現れたのは、カンナおばさんだった。
さっき男に連れ去られたのは、僕の幻覚だったのか?
おばさんは、何事も無かったかのごとく、ソファに座って携帯をいじっている。
「大丈夫なの?」
「は? 何がだよ」
「さっき、スーツの男に拉致られてたじゃん」
「スーツ? どこにそんな奴がいんだよ」
……試されてるのか?
しらばっくれているのだとしても、目的がさっぱり不明だ。
「……」
待てよ。
さっきの連中、こんなセリフを言っていた。
催眠がとける、とか何とか。
おばさんは何か秘密を握っていて、それを誰かに口外しないように、催眠をかけられている?
……いや。
おばさんがそんな秘密を抱えている重要人物とはとても思えない。
「考えすぎかな」
おばさんの横に腰を下ろして、サンドウィッチの続きを食べる。
横顔をチラと覗くも、普段と変わらない。
この調子じゃ、さっきの武器の件も話してくれなさそうだ。
僕は立ち上がって、そのまま家を飛び出し、リザの待つ滑り台へと向かった。
「遅いわよ」
滑り台の柱にもたれて、リザが待っていた。
「武器は?」
「ごめん、ウチには何も…… ただ、ちょっと気になることがあったんだ」
僕は、リザにさっきの出来事を説明した。
「……おばさん、何か秘密を握ってるってこと?」
「かも知れない。 ヒントはおばさんのスマホの中にあると思うんだけど、多分、貸してくれない」
出会い系のアプリやら、絶対、僕には見られたくないハズだ。
だから、隙を見つけて盗み見するしかない。
「アンタに渡さなきゃいけないものに関係してるんだとしたら、その在処がスマホの中に印してあるんじゃないかしら」
「女の勘?」
「そ。 ねぇ、私、今からアンタの家に行くから、スマホの中身、調べてみましょうよ」
……マジ?
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