第2話
途中、スーパーで夕飯のサンドウィッチを2つ購入して、自宅のある森へと入る。
「さっぶ……」
白い息を吐きながら、道なき道を行く。
しばらく進むと、古ぼけたキャンピングカーが見えた。
何を隠そう、このキャンピングカーが僕の家。
いわゆる、トレーラーハウスってやつだ。
扉を開け中に入ると、ソファで眠りこけてたカンナおばさんが目を覚ました。
「ウォーリー…… 帰ったかあ~」
僕には生まれた時から身よりがおらず、ずっと親戚のカンナおばさんが母親代わりをしてくれてる。
それは有難いんだけど、ずっと独身だし、先日飲食店のバイトをクビになったばかりだ。
正直、だらしがない。
「おばさん、サンドウィッチ買っといたから、テーブルの上、置いとくよ」
「サンキュー、おめえはできた子だわ」
飲みかけのビール缶が散乱しているが、それをのけてサンドウィッチを置く。
「空き缶、このままにしとかないでね」
「……」
片手を上げて返事をする。
ほんとに聞いているのか怪しいもんだ。
カンナおばさんの足を無理やりどけて、空きスペースに座ると、さっそくサンドウィッチにありつく。
ハムサンドを頬張りながら、おばさんに質問してみた。
「ところでさ、この家に武器って、ある?」
「武器? 何言って……」
急に、おばさんの動きが止まった。
「……やっべ、完璧忘れてたわ」
おばさんは、起き上がると僕の肩を鷲掴みにしてきた。
さっきとは打って変わって、真剣そのものの表情をしている。
「おめえに、渡さねーといけねーもんがある」
「えっ、何?」
その時だった。
扉が開け放たれ、数人のスーツを着た男らが部屋に侵入してきた。
あまりに突然すぎて、僕は唖然とするしかなかった。
「催眠が切れかけてる、急げっ」
カンナおばさんが連行される。
僕は、身動き一つ、取れない。
男は、鎌のような物を手にしている。
強盗か?
「ウォーリーっ、こいつを……」
一瞬にして、誰もいなくなった。
はっ、として外に出るも、辺りは暗く、おばさんの後ろ姿すら確認できない。
足元には、おばさんのスマホだけが残されていた。
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