花は月光、月夜に咲いて

朶骸なくす

花は月光、月夜に咲いて

やあやあ 今日も帳がおりまして

起きだした人間が多くおります

おやおや 彼女は髪結いを

あれあれ あの方は衣服を整え

まあまあ 男の腕を抱き

どれどれ 彼氏は携帯電話に手を伸ばし

あらあら 支度をした者は夜勤というらしい

しおしお 朝花は蕾を閉じて

らんらん 夜花は花弁を広げ

今夜も月が出ております

月光は四方に輝き、まるで花のよう

やはり月夜に咲く花は

血濡れても、闇に消えても、咲き誇っても

きれいでございます

これで月のない日がありますならば

やはり誰かが忽然の居なくなるのでありましょうや

足元が見えずに道に迷い 道を彷徨い

知らぬ何処かに行くのでしょうや

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る