2章 ウェブ小説の世界
修正の度合いは慎重に
完成させた小説をウェブサイトに投稿した後、時間があればパソコンの前で待機している。誤字脱字があればすぐに直せるように。
本来なら完璧なものを届けるために細心の注意を払うべきだろう。だが、残念なことに何度推敲しても誤字脱字は出てきてしまう。文明の利器は文脈から判断して変換ミスを指摘する機能を持ち合わせていないのだ。そこで、最後の砦である第三者の目が頼りになる。
誤字脱字の指摘は早急に対応できる。ただ、伏線や結末などの内容に深く関わる指摘は注意しなければならない。
分かりにくいと指摘された場合、早く修正したくなるだろう。だが、吟味する時間をしっかり取って損はない。
なぜなら、どの表現が伝わっているのか一番分かっているのは読者でも、物語の世界観を一番熟知しているのは作者だからだ。読者が提案した改善策は一つの答えであって、最適解とは限らない。正解ではなく可能性と割り切り、作者は作品のために冷静な判断をしなければならない。
修正するにあたり、作者にとって譲れないものは当然出てくるだろう。ただ、そのプライドが魅力の妨げになるのであれば、折衷案を採ることも視野に入れたい。
また、読者からもらった意見を一部採用してもいいが、意見を参考に自分の言葉で修正した方が後悔は少なくなる。
「この表現を消すことで、不具合が起きないだろうか」
「付け足すことでイメージが損なわれないだろうか」
地道に言葉を探しながら試行錯誤を繰り返す。こうした積み重ねが、やがて無駄のない洗練された仕上がりを生む。
他者からどれほど辛辣なコメントをもらったとしても、落ち込みすぎることはない。
日本語の奥深さに気付くもよし。良薬は口に苦しと思いながら、のほほんと茶をすするもよし。作品を良くする絶好の機会をもらったと、前向きになればいい。
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