最近のライトノベルのタイトルは長すぎる

今際健

最近のライトノベルのタイトルは長すぎる


"やはり学校に青春を求めるのは間違っているだろうか"


初めてこれをみたときの俺の心情はタイトルなげぇ、だった。


最近のライトノベルのタイトルは長い。

"俺の脳内選択肢がちょーやべーから助けてちょ"とか"通常攻撃が即死攻撃の問題児がやってきました"とか"ゲームから転移したら異世界に行ったけどハーレム作って楽しくやってます"とか。


これはもはやタイトルではない。文章だ。文章という名のタイトルだ。タイトルという名の文章だ。


こんなタイトルに一体なんの面白みがあるというのか。

漫画を見習え、漫画を。たった数文字で、あの深みを出す漫画を。


タイトル、それが伏線だったり、興味を引くものだったり。




子供の頃、皆さんも感じたことはあるんではなかろうか。初めて漫画を手にして表紙を見たときのわくわく感と緊張感を。


早く読みたいとビールを一気飲みするように急かす心と、でもゆっくり読んでワインのごとく味わいたいという心が争い合うその心。


題名が三文字なのにもかかわらずそれから目を離せない。


表紙にあるタイトルの色!!

形!!

そして言葉!!


これらが三つ全て完璧に揃ったとき、それは名作となるのだ………。




ライトノベルは勿体無い。

漫画に比べ認知する人が少なく、嫌悪する人も多い。それの一環をかっているのが題名、絵、そして内容の全部だ。そうライトノベルの全部だ。


あのオタク感満載の妄想をつぎ込んだ萌え絵。

はっきり言おう。気持ち悪すぎる。

肩幅と顔とは同じ、顔はデカイ、目もデカイ、でも口と鼻は小さい。そんな人間を見たことあるか?


しかも、内容に至っては主人公にはデレデレ、ツンデレ、ヤンデレ。主人公を嫌いな奴が一人としていない。

さらには、超絶イケメンの主人公がヒロインをナデポニコポさせるこの鬼畜。


主人公に会うときは顔を赤くし、ボソボソと小さい声になり、主人公はそれを熱か何かと勘違いする鈍感系主人公。

付け加えヒロインが告白しても「え?ごめん。聞き取れなかった」という難聴系主人公。

ふざけるな!!といまここで叫びたい。


それに、ヒロインは純粋無垢な女の子だが、三次元という壁の向こう側にはそんな女子はいない。


下ネタはするわ、下品な言葉は使うわ、男子を馬鹿にするわで「純粋無垢?なにそれおいしいの?」状態だ。


三次元という下界のものが住む領域にとって告白とは一世一代のものではなく、なんとなく、試しに、まぁいっか、という程度のものである。


バトルものでは、俺tueeee!!やら「え?また俺なんかやっちゃいましたか?」という勘違い系の読者をイライラさせるものが流行っている。

加えて中世の時代や、勇者と魔王というありふれた設定を使い回す。


追放ものではよくわからん理不尽な理由で追い出されたり、正当な理由で追い出されるにもかかわらず、逆ギレし、そのパーティーが全部悪い、という責任転換を行うものまである。

そもそも理不尽な理由で追い出されるものの話が幼稚すぎて、こいつら本当に大人か?と疑わざるを得ない展開になっていく。


例えば、主人公が邪魔だから追い出した、とすればなぜ邪魔だったのか書かれていないし、追い出した後の展開も大体が、奴隷買ってハーレム要員その一にしたり、魔剣を拾ったら強欲の悪魔が取り付いていたり、奇跡的にスキルとかいう意味不なものを取得したりとありきたり。


異世界転移ものだといじめられっ子が、勇者として呼ばれるけど、ステータスとやらがものすごく弱くて国から追い出される。

または、ダンジョンに行ったらクラスメイトに裏切られたり。

はたまた、巻き込まれ主人公とかいう俺目立ちたくないんですぅ〜、とか言いつつ自分から問題に首突っ込んでく主人公とか。


神様転生ならば、神様が間違えて殺しちゃったからお詫びに特典つけて転生させてあげる、と、のじゃロリがいったり、女神様をハーレム要員その一にしたり、その力を使って異世界でハーレム作ったり。

神様って全知全能じゃねぇのかよ。神様が人間ごときに土下座なんてするか、と突っ込みたい。


大体の最強ものはインフレがすぎる。魔王倒したら、それ以上の敵が出てきたと思ったらまたそれ以上の敵がとずっと永遠とループし続ける。そして倒す力を手に入れたりするのは気合。根性。愛の力。所謂ご都合主義だ。


でもまだ、百歩譲ってこれらはいいとしよう。だが、これだけは許せない。ええ、絶対に。


それは、大した努力もしてないクズ主人公が人に説教することだ。


は?それ神様がくれたやつだろ?お前、努力してねぇだろ?何偉そうに説教してんだ。何信念が足りてないだよボケ。オメェの方が足りてねぇよ。そう言ってやりたい。



人によってムカつくポイントは違うだろうが、基本的に大体ムカつく。


言いだしたらもうきりがないので次。



次に題名。

パッと目につくものを集めると……。


"最強"

"ハーレム"

"異世界"

"転生"

"転移"

"追放"

"スローライフ"

"勇者パーティー"

"ダンジョン"


これだ。パッと目につくものを集めたのにもかかわらず、これだけのものがある。

これがどういうことを意味するか。簡単だ。みんな同じような物しか書いていないのだ。


つまらない。ああ、実につまらない。

どれを読んでも読んでも、神様から特典もらったり、事故で死んで転生したり、ゲームから異世界に転移したり、クラスごと転移したり、最強の人が転生したり、パーティーを追放されたり、彼女を寝取られたり。

なんなんだこれは?何かそういう祭りでも開いているのか?



閑話休題。





ここまで漫画について、ライトノベルについて話してきた。


簡単に纏めるとライトノベルは気持ち悪い。そう語った。



だが、あえて俺は言おう。








"それでもラノベは素晴らしい"







と。





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