第14話

この日本に、そんな馬鹿げたことを言う輩がいるのか、許さない、許せない。有り得ない。

なんて、憤っていたら、大衆の意見のように報道されていたソレは、事柄の外部にいる連中の戯言でした。情報操作にて、怒り反感を沸き立たせ人の心を弄んで。視聴率を舌で絡め取るように汚く確実に取りにくる。もうそろそろ、腹が立つを通り越して憎らしい。

この世の中は、正直ものが馬鹿を見るんだ。真実はどこにあるのだろう。どこかにあるのだろうか。それとも、そんなものは、存在していないのか。

自分の信じるものが真実だと思えば良いのだろうか。馬鹿らしい、それだから人は分かり合えないんじゃないのか。...まだ、私は人と分かり合えるとでも思ってたのか。

うんざりだ。憂鬱に潰されそうだ。形のない何かに負かされる。

大丈夫、コンビニの店員さんは、頼んだ分だけの砂糖をコーヒーに入れてくれると信じている。

大丈夫、車線変更する時にスピードを緩めた車は私に追突してきたりせず間を譲ってくれると信じている。

大丈夫、宅配便のお兄さんは、私の住所と電話番号と名前を知っても悪用しないと信じている。

大丈夫、大丈夫。何も誰も信じられないなんて、そんなことはない。そんな臭いこと言うほど、私は馬鹿じゃない。大丈夫。私は私が思う馬鹿野郎には、ならない。私が憎む人間にだけは、ならないんだ。誰も本当のことを言わなくたって、知ろうとしなくなったら、おしまいなんだと思う。情報操作に踊らされようと、本当に大切なことだけは見失うもんか。騙されたなんて悲しまないからな。負けないからな。許さないからな。

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