第30話 妹と一緒にお風呂に入ることになった件
「お兄ちゃん・・・そ、その・・・・・・
一緒にお風呂に入らない?」
長い黒髪をくるくると指で巻きながら
上目遣いで視線を逸らしたり見たりして
顔を赤く涙目で言ってきた。
(こ、これ・・・告白のような・・・・・
って、俺はバカか!?
どうして妹にそんなことを考えている
んだよ!お、おお、落ち着け。
俺は人生で彼女いない歴が年齢で
本音を言えば
興味がない・・・はっ!?違う、違うぅ!
それ、超絶なシスコンじゃないか。
俺は、シスコンだけど父親が娘に
甘いとかそんな類いのやつだ、うん。
絶対にそう・・・)
一瞬の時を迅速に緻密に情報を処理して
いき最終的に自己暗示のような
結論で無理解に納得しないといけない。
そ、その前にどうしてこういう流れに
なったのか想起しないと。
およそ三分前のこと。
俺は授業が終わり帰宅の教諭の言葉を告げて
一目散に自宅へ GO。
幼馴染みの声がしたが適当にあしらう。
その態度に激昂。白い幼女の容姿の高校生
の追いかけられいつもよりも
早く帰宅した。はは、だてに逃げていない
のだよ!天候は6月で梅雨に突入し
雨が降っていて天気予報を見ていたが
俺は傘を持っていくのを忘れた。
昇降口に躊躇なく雨が降る外に突撃。
「ちょ、ちょっと
もう追いかけないら、戻ってきて
風をひくよ!」
「その手に乗るか高野!そう言って
俺にその傘を入れてフルボコされるのが
容易に分かるぞ」
俺は濡れることを恐れず走る。高野は
傘をさして必死に追いかけてくる。
追いかけないと言って追いかける矛盾、
怒った高野が何もせずにするとは
思えないのだ。
「あーー!本当になにもしないのに。
どちらかと言えば・・・相合い傘に
入ってほしいんだけど・・・・・」
「えっ?なんて最後のもう一度」
「と、とりあえず入りなさいよ由布!!」
「ごめん
高野は、幼女体型なのですぐに距離は出来て
逃走成功し玄関に入って走ったことで
喘ぐ息を整えていると、
最愛の実の妹の由悧が居間のドアを開き
帰りを歓迎の笑顔で出迎える。
「お兄ちゃん・・・・・ど、どうしたの
そんなに濡れて!?」
「あ、ああ。傘を忘れてしまって」
「わたしに持っていけとかうるさかった
のにお兄ちゃんは忘れたんだ・・・
どんどん抜けていくいよお兄ちゃんは」
嘆息する妹は、踵を返しダッシュ。
秒で戻ってきた唯悧はタオルをはい!と
渡してくる。俺は渡されたタオルで
ずぶ濡れた制服や水滴を拭くと
妹は心配そうにする。
「お兄ちゃん今すぐにお風呂に入ってねぇ」
「えっ、お風呂を沸かしたのか?」
「まぁ、なんとなく帰ってくるなぁ
思ってねぇ。最近は変える時間がなんとなく分かってきたからねぇ」
「そうか。偉いぞ唯悧」
俺は入念に手を拭いてから唯悧の頭を
なでる。唯悧は気持ちよさそうに目を閉じて
口には笑みを浮かべる。
「えへへ、ありがとう」
「あはは、それは俺のセリフなんだけど」
このやりとりだけで疲弊していた精神が
治癒されていく。
「・・・それで、お兄ちゃん」
「ん、なんだ唯悧」
俺が自然と優しい声で尋ねる。
唯悧はなぜかもじもじと始める。
のに恥ずかしがる妹に疑念。
「お兄ちゃん・・・そ、その・・・・・・
一緒にお風呂に入らない?」
改装終了。いーやー衝撃すぎて
およそ三分前とかの尺じゃなかった。
つい悪鬼羅刹と評判の高野を思い出して
いた。・・・・・・さて、どうすれば。
・・・いや答えは一つしかないだろう俺。
「さ、さすがにこの年で入るのは
まずいだろ。だから、別々で――」
「もちろん。水着を着用しての入浴だよ」
「え?・・・・・そ、それでも駄目だろ。
面倒くさいだろうし、兄として
それはやめた方がいいと思う。
・・・兄妹としてそこまではよくないし」
本音を言えば嬉しいと言うよりも水着を
最後に見たことなんて小学生ぐらいで
もし唯悧の水着を見たら嬉しさのあまりに
失神するであろう。
「・・・ダ、ダメなの・・・・・
お、お兄ちゃん・・・」
妹が悲痛そうに尋ねられ俺は・・・
「な、なんだか恥ずかしいねぇお兄ちゃん」
「あ、ああ・・・そうだな」
断ることできず一緒に入ることに
なったのだ。唯悧の水着は、水色の
ワンピース型の水着で幻想的すぎてかわいいを結集させた美しさ。
「そ、それじゃあ・・・体を洗うけど
唯悧が先に洗うか?」
「え?」
「も、もちろん。変は意味じゃないく、
俺は洗い終えるまで後ろを見るから」
「お兄ちゃん・・・あの頃みたいに
接してほしいかな」
後ろを向こうと中断し唯悧の言葉に
どこか郷愁感を覚えさせる声だった。
唯悧の表情は・・・十中八九、寂しそうな
表情をしていた。
なんとなく言いたいことは分かる。
唯悧がまだ小学低学年の頃だ。
毎日のように一緒に入って笑って話をしていたのを。
(・・・唯悧が一緒に入りたかったのは
もしかして、甘えたかった。
それも、かなり前のように・・・だろうか)
尋ねるか躊躇いそしてやめる。そんな無粋な
ことしなくても唯悧は中学三年生で
最後の中学なのだから、これぐらいの
わがままを笑顔でないとなぁ。
「唯悧。聞いてほしいんだが・・・」
「うん・・・」
「実はこう久しぶりに入って俺は
楽しいよ唯悧!」
「お、お兄ちゃん・・・」
感極まったように笑顔になってくれた
唯悧を見て俺も釣られて
俺も笑みを浮かべる。
「く、くすぐったいよお兄ちゃん」
俺は今、唯悧の頭を洗っていた。
何て言うかドキドキとしたのだけど、
自然とできた。
(ここは、兄としての感情はあるんだな
俺・・・面倒をみないととか
そんな使命感的なのが)
「わるい、わるい。気を付けるよ」
「えへへ、こう洗ってくれると
嬉しいな~」
少し長い髪を洗うのに悪戦苦闘したが
なんとか洗い終える。
「よし、こんなところかな?
それじゃあ後は・・・自分で洗ってくれ」
体を洗うのを言おうとしたがナゼか
言葉にできないほど恥ずかしくなり
別の言い方で少しの遠回しになる。
どうしてこう、意識するんだイヤ、
普通か、うん、普通のはずだ。
「うん。わかった」
それからしばらくして。
「お兄ちゃん、お兄ちゃん。
背中を洗って」
「え?えぇぇぇぇーーー!?」
さ、さすがに無理だ。と断ろうとして
振り返って俺は固まる。
ど、どうしてワンピース水着の上を少し
脱いでいらしゃるのか・・・・・あっ、
背中を洗うのに邪魔だから上だけを
・・・どうして後ろを向く俺にそれを
背中を洗うことやなんて・・・。
「いつもあの頃のお兄ちゃんは背中を
洗ってくれたのにどうしたの?」
「い、いやそれは・・・」
背中の姿なので、まま、前が見えないとは
いえまずい。刺激が強すぎる・・・
唯悧は、きっと純粋に頼んでいるのだろう。
だ、だけどこれは。
「唯悧これは無理だ・・・」
「・・・・・背中を洗うだけだよ?」
「そ、それはそうなんだが・・・」
唯悧は知らないようだけど
思春期の男にはこれには刺激が強いのだ。
な、なんとかかたくなりに断った結果、
背中を洗わずにすんだ。よかった。
「わたしは、終えったので次は
お兄ちゃんのターンだよ」
唯悧がバスチェアから立ち上がり
バスタブに入る。
俺はバスチェアに座りまずは頭を洗おうと
シャンプを―――
「お兄ちゃんストップ。
止まって動かないで!」
「ど、どうしたんだ急に?」
「わたしが洗ってあげたくなってきた
から洗ってあげようかと」
「・・・・・じ、自分で洗えますけど」
「たまにはわたしが洗いたいの」
バスタブから出て俺の背後へと回り
シャンプを押す音が聞こえ仕方なく
従うことにした。
うつむき洗いやすいようにすると
小さな指がなでるように優しく洗ってくる。
「・・・・!?!」
(お、思ったより恥ずかしいぞこれ!
気持ちいいし癒されていく・・・)
それから、シャーーと流すのも唯悧で
なんだか立場が逆転したのような状況と
いえばいいのか無性に顔が熱くなる。
「それじゃあ、次はお兄ちゃんの背中を
洗うねぇ」
「せ、背中をか。まぁいいけど」
「あれ、今回は戸惑わないんだね
お兄ちゃんは?」
「背中を洗うだけからねぇ。・・・
別に驚くことじゃないからなぁ」
「うぅー、それならわたしの背中を
洗ってもよかったじゃないの!?」
「そ、それは色々とまずいと思うけど」
背中を洗う唯悧は、大きな背中とか
ドキドキするとか言葉にしてどう
返事すればいいかわからず
そうだなと答えるしかなかった。
ちなみに背中を洗ってもらった感想は
高鳴る鼓動と思考停止させるほど
刺激が強かった。
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