As I trace the shines, So shall you ①

 翌日の朝、私たちはマーゲイの運転するスタッフカーに乗せられてゴコク地方への帰路についていた。

「本当にゴコクの北まででいいの? 普通に警備隊の拠点まで送るけど」

 ハンドルを握る彼女は前に顔を向けたままそう訊ねた。横にいたクロウタドリが頷く。

「いいよそれで。ついでに一つ聞いておきたいんだけど」クロウタドリは少し身を乗り出して運転席に座る彼女に言う。「橋を渡った直ぐ近くに、確かモノレールの駅があるよね」

「モノレール? ……ああ、ジャパリラインのことね」

 彼女は合点したように頷く。

「あるけど、当然今は動いてないわよ。もしかして、それを当てにして北に?」

「まあね。動いてないっていうのは、完全に放棄されてボロボロになってるってこと? それともそれなりに綺麗に保たれているけど、単純に運行はしてないってことかな」

「外見は結構ボロかったわね。ただ、整備目的なのか何なのか、ラッキービーストがたまに構内や線路上にいるところを見掛けたことはあったけど」

 私はクロウタドリの耳元に近づいて囁くように言った。

「やっぱり警備隊拠点まで連れていって貰った方がいいわよ。モノレールが動かない可能性の方が高いんだから」

 彼女はこちらに目を向ける。少し間を置いてから言葉を返した。

「確かにね。でも、マーゲイちゃんの話によると保守管理が続けられている可能性もある。その場合、ラッキービーストを上手く説得できれば列車を動かせるかもしれないだろ」

 私は眉根を寄せる。

「説得って、誰が。ラッキービーストはアニマルガールには反応してくれないでしょ」

「その点についてはあおちゃんがいれば大丈夫だろ」

「私?」

「そ。どうやら彼らは君をようだし、交渉の余地は十分にあるぜ」彼女は私の頭部と臀部の後ろを続けて指差してみせた。「君だって、身に覚えがあるんじゃないかな」

「それは……」

 確かに彼女の言う通り、ラッキービースト達が私に対して特異的な反応をすることは分かっていた。だがその際に彼らが話すのは定型的な言葉で、私を完全なヒトと見做しているとは思えなかったのだ。

「ご歓談中に悪いけれど、もうすぐ着くわよ」

 前からマーゲイの声が飛んできて私たちの話は遮られる。窓の外を見てみると、車は連絡橋に差し掛かりつつあった。今日の空は快晴で、目の前には海の藍と空の青とが拡がった。私は背をシートに預け、顔だけを窓外に向ける。外から吹き付ける潮風が前髪を掻き上げた。

 と、そこで唐突にかけられた急ブレーキに私たちはつんのめり、危うく前の背凭れに頭をぶつけそうになってしまう。一体何事か。

「ちょっと、どうしたの」

 つい険とした声を上げてしまう私。しかし、運転席に座るマーゲイは、ブレーキペダルを踏み込んだまま顔を斜め前──ちょうど海峡が島嶼の内海へと開ける方向へと向け、ただ黙っていた。

「マーゲイちゃん?」

 クロウタドリの呼びかけでようやく我に帰ったのか、マーゲイは言葉を返した。その声からは何やら動揺の色が窺えた。

「あ……あぁ、ごめんなさい、ちょっとびっくりしちゃって」

 彼女はそう言ってからウィンカーを点滅させ、車をゆっくりと路肩に寄せ始めた。

「悪いんだけど、一旦降りてもいいかしら」


 マーゲイは下車するや否や、最後部の座席に駆け寄り、積みあがっていた機材類を掻き分けて双眼鏡を取り出した。直ぐに踵を返すと、対向車線を渡り、欄干から身を乗り出さんばかりの勢いで海峡の方にそれを向ける。彼女の後に続いて車を降りた私たちは、同じく橋の外に目を向ける。両岸に鬱蒼として立ち並ぶ常緑針葉樹の木々に挟まれて黒々と流れる海路は奥に向かって段々と窄まっていき、終いには最奥に開ける内海へと流れ込んでいる。大気は澄んでおり、内海の向こうに横たわるキョウシュウ地方の山地までもがはっきりと見通せた。びっくりした、と先にマーゲイは呟いていたが、特に目を驚かせるようなものは視界に映らなかった。

「やっぱり」双眼鏡を目元から離した彼女は、茫然として呟いた。「無いわ」

「無いって、何が」

 私は訊く。

よ。キョウシュウとゴコクの間を結んでいる橋」

 彼女の返答に、私たちは揃って顔を見合わせた。キョウシュウ地方とゴコク地方とを結ぶ橋とは、先日私たちがゴンドウたちと共に渡ってきたものではなかったか。話が飲み込めずに怪訝な顔を浮かべる私たちに、彼女は黙って手にしていた双眼鏡をこちらに差し出した。私は受け取って、試しに覗き込んでみる。

 暗闇の中に浮かぶ円い視界に、海峡の先にある広い海と陸が映っていた。陸の上に載っている冠雪した急峻な尾根を持つ山地は、恐らく私たちが宿泊した銭湯があった場所だろう。そこからこれまでの経路を辿るようにして目線を動かすと、間も無くしてその麓、陽に煌めく海と境を成す港を見つけた。確かこの辺りから連絡橋の方へと向かって行ったはずだが――そう考えつつ私は目を泳がせる。そこで、不意に妙なものが海上に浮かんでいることに気付く。港の横の小高い丘から手前のゴコク地方へと向けて一直線に並ぶ、白い浮標のような物体。だが、浮標としては明らかに大き過ぎた。

「あおちゃん、僕にも」

 そこで横にいたクロウタドリが催促する。私が双眼鏡を手渡すと、彼女も同じく橋の外へとそれを向けて覗き込んだ。そして対して間を置かず、言葉を発した。

「……崩れてるね」

「え」

 彼女の言葉に私はつい声を上げる。

「崩れてるって……もしかして、海の上に見えた白いやつって」

「うん、多分架かっていた橋の残骸だと思う」クロウタドリは確認するように再び双眼鏡を覗き込みつつ言った。「現実味無いけどね。老朽化によるものなのか、それとも――」

 そこで、彼女は不意に言葉を切る。双眼鏡は下ろしていたが、海峡の方を遠くに見える崩落した連絡橋を暫しの間黙ったまま見つめていた。

「クロウタドリ?」

 不思議に思った私が声を掛けるが、彼女はそれに応じることなく双眼鏡をマーゲイに返すと、至って静かな声で彼女に告げた。

「取り敢えず、一旦橋を渡り切ろうか」


 橋を渡り終えると、マーゲイはハンドルを傾けてその袂から伸びる側道へと車を動かした。間も無くして見えてきた草本の繁茂する平面駐車場へと入り、その入り口近くで停車させる。

「どうもありがとう。僕らはここで降りるよ」

 クロウタドリは言いつつドアを開ける。

「改めて言っておくけど、多分ジャパリラインは動かないわよ」

「大丈夫、それなりに当てがあるんだ。仮に動かなくたって、ここからサンカイまでは大した距離があるわけじゃないし」

 それを聞いた私はげっそりとする。自分の並外れたフィジカルを基準として彼女が言う「大したことない」で碌な思いをしたことがないのだが。

「マーゲイちゃんはこのまま帰るの?」

「そのつもりだったんだけど、あれを見ちゃね。一度連絡橋の方まで走って様子を見てくるわ。もしかしたら橋の崩落で怪我をしたフレンズがいるかもしれないし」

「そっか」

 シートからショルダーバッグを取り上げた彼女は、そこで何かを思い出したように、あ、と声を上げると、マーゲイの方へ片手を差し出した。

「そう言えば、昨日の夜にお願いした、借りてもいいかな?」

「――ああ、忘れてたわ」

 彼女は助手席の方をごそごそやったのち、パークのロゴが印刷された大き目の紙袋を取り出し、クロウタドリの方へと差し出す。

「一応二人分、一式揃ってるわ。……一体何に使うのかよく分からないけど」

「ありがとう、助かるよ」

 彼女はそれを受け取り、中身を軽く覗くと、満足げに頷いてみせた。

「それじゃ私はそろそろ行くわ――本当に、色々とありがとう。作品が完成したら真っ先にあなたたちに見せるわね」

 マーゲイはアイドリングしていた車のエンジンをかけると、こちらに顔を向けてそう言った。その表情は少し淋し気で、それでも晴れ晴れとしていた。

「それじゃ、また何処かで」

 青い車は大きく弧を描いて転回すると、駐車場を出て西の方へ走り去っていく。橋を過ぎてなだらかな丘の向こう側にその姿を消す直前、餞別代りの軽いクラクションが鳴った。

「じゃ、旅を続けるとしようか」

 暫しの沈黙の後、横から聞こえるクロウタドリの声。私は頷くと、彼女の後に続いて歩き始める。



***



 彼女が車の中で話した通り、確かにモノレールの駅舎は橋の程近くにあった。

 海峡沿いに佇むそれは、マーゲイから聞いていたように外見上は廃墟そのものであり、かつては来園した子供たちの目を愉しませるために施されたであろうファンシーな外壁も、今は草木に埋もれ、また長年の風化により錆び付き、何か不気味な絵図のように感ぜられた。サンドスターの保存効果により残喘を保っているものの、それが無ければとっくの昔にどこかが崩壊していてもおかしくなさそうな様子だった。

 どうやら車両基地のような設備も併設されているらしく、本線から分岐して海側に張り出した複数のレール上には数編成の車両が載っていた。下から見上げる限り、これらも一様にひどく錆び付いていて、とても動きそうには思えない。

「……まあ、今日の宿としては悪くなさそうね」

 私の投げ遣りな呟きに、おいおい、と横にいた鳥がツッコミを入れる。

「確かめる前に諦めるなよ」

「だって、どう見ても現役の施設には見えないでしょ」

「まあまあ、取り敢えず中に入ってみようぜ」

 そう言って入口へと歩いていく彼女に溜息を吐く。渋々付いていきながら、私はポケットに仕舞い込んでいたガイドマップを拡げ、早くもサンカイ地方までの徒歩による最短経路を模索し始めた。


 二羽は橋上駅へと通じる寂れた階段を上っていく。階段には枯葉やらボトル類やら何かの切れ端やらが堆積していて、足の踏み場を狭くしていた。左右の壁面には幾つもポスターフレームが並んでいたが、中の掲示物の多くは完全に退色していてその内容は判読できない。換気用に設けられていた窓はどれも破砕され、その破片が構内に撒き散らされていたので、踏んづけてしまわないように注意を払う必要があった。

 階段を上り終えると、券売機が立ち並ぶブースと改札が見えてくる。クロウタドリは意気揚々とそちらの方へと向かったが、列車が動く可能性に微塵も期待していなかった私は待合用の椅子に腰掛けて一息ついた。

 こうしていると、何か懐かしい思いがした。通学に都心の一路線を使っていたころには、こうやってホームの硬い椅子に腰掛けつつ列車が来るのを待っていることがあったっけ。学生時代の記憶は今や朧気だが、こういった日常の些事はどういうわけか折に触れて頭に浮かんでくることがあった。

 不意に睡魔に襲われた。屋内は風に曝されることもないので気温も丁度良く、午睡を取るにはうってつけだった。どうせ終いにはまた長い道のりを歩き通すことになるのだ。だったら、この隙に体力を温存しておいても構いやしないだろう。

 私は目を閉じて少し俯き加減になる。鳥の囀りや風のざわめきが遠く聞こえた。眠りに落ちる間際に、先程橋の上から目撃した崩落した橋の残骸が頭に過る。……老朽化にせよ、あんな風にすべてが一度に崩れ去ることなど、あり得るのだろうか。しかしそんな疑問を突き詰めてゆく前に、私の意識はふっと途絶えた。



***



 どれだけ眠ったろうか。

 目を覚ました私は、ゆっくりと瞼を開けて、それからぎょっとした。


 目の前には華奢な少女がしゃがみ込んでいたからだ。彼女は折り畳んだ両膝に両肘を載せて頬杖をついており、顔に掛かる長い青みがかった灰の頭髪の奥からは大きな丸い青竹色の瞳がこちらを見据えていた。両側頭部には深いモスグリーンの翼を備えていた。

「え……あの……」

 私が目線を逸らしつつ動揺の声を洩らすと、彼女は片頬を支えていた腕をこちらに伸ばし、人差し指を突き立て、長閑で間延びした声でこう言った。

「さっきの寝顔、100

「はあ……」

 訳も分からずただ間抜けた声を出してしまう私。彼女はその場にすっくと立ちあがると、私の隣の席に座り込んだ。尚も怪訝そうな目を向ける私を見据えると、やがて徐に口を開いた。

「あの子にキミのこと見ててって言われたの。だから見てた」

 彼女は正面を指差す。その先には、丁度閉じた改札を乗り越えてこちらに向かってくるクロウタドリの姿があった。

「この子は」

 目を横に流しつつ彼女に訊く。

「さっき偶然会ったんだよ。寝てて無防備なあおちゃんがセルリアンに襲われないように見張っててもらった」

 私が再び横に顔を向けると、彼女は無表情のまま片手でピースサインを作ってみせた。また随分と癖が強い……。クロウタドリの方へと向き直ると、私が寝ていた間に何をしていたのか訊ねた。

「構内を歩いていたんだ。本当に保守管理がされているなら、何かしらの痕跡があるだろうと思って」

「そう。それで、どうだったの」

 私の問いに、彼女は満足げに答える。

「読みは当たっていたみたいだ。詰所の中にあった配電盤がちゃんと生きていたんだよ。軌条の方も古びてはいるけれどしっかり保線された跡があった。ここを管理しているラッキービーストにコンタクトを取れば列車を動かしてくれるかもしれないね」

 私は思わず目を丸くする。20年近くも経って設備が生きているなんて。勿論これまでも電気が通った施設――水辺エリアの野外ステージや探検隊拠点など――には出会ってきたが、それらはどれも生き残ったアニマルガール達がある程度の管理をしていたためだ。吹き曝しで廃墟同然のこの施設が未だに駅としての機能を果たせるとは到底思っていなかった。

「あとはそのラッキービーストを見つけるだけなんだけどね。どうも見当たらなくて」

 クロウタドリは顎に手を当て、悩まし気に呟いた。と、そこで視界の端で何かが動くのを捉えた。見ると、横で座っていた彼女が片腕を真っすぐ上に挙げていた。

「どうしたの?」

「わたし、探し物の場所、わかるかも」

 そう言って立ち上がった彼女は、矢庭に歩き出し、改札の手前で止まってこちらを振り向いた。

「こっち」


 私とクロウタドリは、彼女の後に続いて誰も居ないプラットホームの上を歩いていた。対面式のホームで、軌条の手前にはホームドアが設置されている。見上げると、アーチ状の天蓋が駅舎を覆っているのが見えた。中央に配列された明かり取り用の屋根材はアーケードのものと同じく失透しており、そこから入った柔らかな光が並ぶ二本の軌条の間を淡く照らしている。頭上に定間隔で設置されている電光案内掲示板は灯を落としたまま黙していた。

 やがてホームの端に辿り着く。それ以上の立ち入りを防ぐ為に設置された鉄柵の前で立ち止まった彼女は、両の翼を勢いよく展開すると、飛び立ち、ホームの終端のさらに先、駅車外にある日光に照らされた操車場の方へと向かって行った。私は飛べないので、再びクロウタドリの背中を借りた。

 操車場には先程地上から見た通りに数編成の列車が滞泊していた。パーク内の遊覧によく使われていたサファリバスと同様の塗装が施された通常の車両に加えて、ライオンやクマ、シマウマなどの人気を博する定番の動物を模したラッピング車両もあった。彼女は支線に沿って設けられた作業用のホームに降り立つと、迷うことなく停車した車両の方へと進んでいく。私たちも慌てて彼女に続いた。

 追いついたとき、彼女は先頭車両のドアの前で立ち尽くしていた。声を掛けようとしたその時、彼女はまたも人差し指を前方へと向ける。その指先は、紛れもなく車内を指していた。

「ここ」

 私はドアの前に立つ。前面にはセンサ式の開閉パネルがある。相当錆び付いているが、機能するのだろうか――そう思って試しに手を翳してみると、劣化の為か電圧不足の為か、トーンダウンした珍妙なチャイムが鳴った後に軋みつつもそれは開いた。車内に足を踏み入れると、そこには見覚えのある懐かしい空間が広がっていた。ロングシートとクロスシートの組み合わせ。ドア上の液晶ディスプレイに、吊り革の色や特徴的な窓の形。通学時の風景が蘇ってくる気がした。

「あおちゃん、あれ!」

 クロウタドリの呼び掛けに私は振り向く。彼女は乗務員室へと繋がるドアの窓からその中を覗き込んでいた。その背後から同じように覗いてみると、運転に用いる計器やレバー類が並んだ台の下に設置された充電台のようなものの上で、制帽を被ったラッキービーストが座り込んでいた。

「よく分かったね。前に来たことがあったとか?」

 驚いた様子で訊ねるクロウタドリに、彼女はかぶりを振る。

「来るのは初めて。でも、きらきらが見えたから」

 彼女の言葉に私は首を軽く傾げる。きらきら――私が目を覚ました時も同じようなことを言っていた気がする。

 幸運にもドアは施錠されていなかったため、その中にクロウタドリが入り、両手で彼を持ち上げて客室の方へと連れ出した。シートの上に置くと、暫しの間をおいて正面に装着された円形ディスプレイが点灯し、直立の姿勢へと移行する。どうやら、起動したようだ。数度胴体を傾けたり回したりといったデモ動作のようなものを繰り返したのち、こちらを見上げて発声した。


《ラッキービースト正規運用型モデルC、正常に起動しました。現在はセーフモードで運用中。解除およびLBシステム・自動旅客輸送統括システムへの接続には権限者による認証が必要です》


「このボス、お話しできるんだね」横で見守っていた彼女が言う。「でも、何言ってるのかよく分からない」

 しゃがみ込んで円形ディスプレイを操作し始めたクロウタドリが答えた。

「パーク内でジャパリまんを配っている個体とは違って、基本的にヒトやその社会生活に馴染んだアニマルガールと接触することを前提としたものだろうからね。ただ、システムに接続できないと紋切り型のことしか喋ってくれないよ」

 少しして、よし、と呟いた彼女はこちらを見上げた。

「パスワードや生体認証は突破が難しいから、権限認証で試してみる」

「権限認証って……それも無理でしょ」

「出来るんだな、それが」

 ちっちっちっ、と言いつつ指を振る彼女に苛立ちを覚える。だったら早く教えて、と急かす私に、彼女は持っていた紙袋を私の前に突き出した。これは――マーゲイと別れる際に彼女から受け取ったものだ。

「なにこれ」

「それ着て」

「は?」

 私が紙袋を覗くと、そこには綺麗に畳まれた保安調査隊の隊服、サファリハット、そしてその上に載った鮮やかな羽根があった。

「次は君が隊長になる番ってこと」

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