愛
愛とはなんなのだろうか。例えば、今私とキスをしているこのおじさんに愛はあるのだろうか。そんなの、ないに決まっている。この人は快感を得るためだけに私の体を貪る。私は、お金を得るためだけに見ず知らずのおじさんとヤる。ただそれだけ、この行為に愛なんてない。あるのは欲だけ、私もこのおじさんも、欲に身を任せて動いてる、実に危なっかしい。
「はっ...ふっ...みおちゃん...気持ちいいかいっ...」
本能のままに、太ももに固くなったソレを挟んで必死に腰を振る姿はとても滑稽で、気持ちが悪かった。私は男が好きじゃない、見ていると吐き気がするのだ。
「はあっ...みおちゃんっ...」
白濁とした液体が、私の足をつたった。くすぐったい。暖かくて、気持ちが悪い。
「金。あぁ、払わずに逃げたりしたら警察呼ぶから、早く寄越して。」
私がこのおじさんに喋った一言目はこれだ。
別に特別このおじさんを嫌ってるわけではなく、私が援交をする際はいつもこうだ、必要最低限のやりとりしかしない。したくない。
「あ、あぁ、分かってるよ...はい」
金を受け取り、その場を去る。夜道を一人歩く。いつもこうだ、一人になると考えてしまう。身体じゃなくて、女子高生だから、とか、そういう要素じゃなくて、「私」を、そのままの姿を、いつか愛されてみたいな、と。
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