振り返った時に、そこにあるもの。への応援コメント
『物語の哲学』の考え方は、興味深かったです。さて、このことは口頭伝承にも言えるのか? そんなことを考えてしまいますね。
作者からの返信
夷也荊さん、こんばんは!! 読んで下さりありがとうございました。神話における口頭伝承に関する議論でもナラトロジ―(物語論)は有用かもしれないですね!
物語論に関する原著はアーサー・ダントーという哲学者の本(特に物語としての歴史――歴史の分析哲学)が有名ですが、残念ながら訳書は絶版となってしまいました。
野家先生の物語の哲学はダントーの物語論を踏襲しつつ、過去の反実在論(”本当”の過去なるものは実在しない、もしくは実在したとしても人間には認識できない)という立場で思索を展開しております。
そのエッセンスは以下の通りです。
1) 過去の出来事や事実は客観的に実在するものではなく、「想起」を通じて解釈学的に再構築されたものである
2) 歴史出来事と歴史叙述とは不可分であり、前者は後者の文脈を離れて存在しない
3) 歴史叙述は記憶の「共同化」と「構造化」を実現する言語的制作に他ならない
4) 過去は未完結であり、いかなる歴史叙述も改訂を免れない
5) 「時は流れない。それは積み重なる(サントリー テーゼ)」
6) 物語りえないことについては沈黙せねばならない
振り返った時に、そこにあるもの。への応援コメント
希望につながる何か、として捉えたいかなぁと思ったりしています。
こう、胸の中にすっと落ちてくるような言葉たちが本当に素敵でした。
ありがとうございます!
ご紹介いただいた本、またゆっくり再読致します!
作者からの返信
空さん、読んでいただけてとても嬉しいです。きっと希望につながっていると、僕はそう思います。僕もまたゆっくり読書したいと思います!