僕が彼女を見つめる時、彼女もまたこちらを見つめているのだ

大石 優

僕が彼女を見つめる時、彼女もまたこちらを見つめているのだ

プロローグ ~出会った君は鳥かごの中

 ――僕はついに、本物の恋を見つけた。



 容姿端麗、才色兼備。

 いや、そんな言葉では言い表せないほどに、彼女は完璧だ。


 彼女との会話はとても楽しい。

 彼女が振ってくる話題は僕の趣味と合致しているし、返答だってセンスは抜群。豊富な知識で、質問にも的確に答えてくれる。

 容姿だって、思わず見とれてしまうほどだ。


 いくら眺めていても飽きない、その仕草。

 そしてどんな服でも似合ってしまう、そのスタイル。

 似合うというのは、僕の主観かもしれない。だがそれを差し引いても、照れながらも服のリクエストに応えてくれる彼女のいじらしさは、僕の心を捕らえて離さない。


 そんな彼女のたった一つの欠点。それは……。




 ――パソコンの中から出てこれないことだ。

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