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 俺は自分の作った朝食を食べ終えると、制服を着替えて歯を磨き、荷物をしっかりと準備をして玄関に置いておく。


「あ、そうだ。翔兄、今日のゴミ出ししてくれた?」


「はぁ……今日はお前だろ?」


 と、里菜が部屋から顔を出した。


 言われるまでもなく今日は里菜がゴミを出す担当である。秋風も吹く中、冷たい風が体に当たってくる。なのに、どうして、翔太郎が出さなければならないだろうか。そういえばこの前、「ねぇ、月曜日だけどさぁ……ゴミ出しよろしくね」と言われた記憶がある。


「言ったよね? 出してって……」


「そう言えばそうだったな……」


「だったらやることは一つだよね。あと少しで荷物の準備もできるからその間にちゃっちゃとやっておいてよね」


 と、里菜がそう言った。それは約束した翔太郎が悪い。


 朝早く出しておかないと、昼前にはすべて行者が持っていってしまうのだ。


「あ、そうそう。ついでに車のキーを貸すから準備もよろしく」


「へい、へーい」


 やはり翔太郎にはこき使われる選択肢以外ないのだ。


「おお、翔太郎。俺は先に出て行くから雪乃と里菜の事、頼むぞ」


「なんで、俺ばっか……」


「ま、簡単に言えば、兄妹の中で三番目だからな……」


「理由になってねぇ……」


 と、公務員である陽介は靴を履いて玄関を出ようとする。


「兄ちゃん、ついでにこのごみも捨てておいてよ」


 翔太郎は両手に塞がったゴミ袋を陽介に渡す。


「はいはい、分かったよ。じゃ、鍵を閉めといてくれよな。いってきます!」


 そのまま陽介はドアを開けて、市役所に向かった。


「翔兄、何とか雪姉は一命を取り戻したよ。これでギリギリ私は遅刻せずに間に合う」


 里菜はセーラー服を着ており、雪乃はいつもの大人びた私服姿で左肩にはバックを掛けていた。


「待て、俺が先だ。さて……俺達も姉ちゃんの車に乗っていこうか」


「あんたたち、喧嘩をしない! 二人とも送って行かないわよ」


 雪乃は二人の腕を引っ張って車に乗せた。その時————


「ん……?」


 何か、不穏な空気を感じた。

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