第3章 秋風に吹かれ
3-1
山田家次男、高校二年生である山田翔太郎の人生には、色々な事があった。
一つ目は幼い頃に両親を交通事故で無くしたことだ。
その頃、長男の陽介はまだ、高校一年生の冬の頃だった。
以来、兄・陽介は高校を首席で卒業し、大学を進学しながら奨学金とアルバイトを通して、下の兄妹三人を守ってきた。
まぁ、ここからは次男である。俺、翔太郎の話になるわけである。
説明すると、俺を育ててくれた陽介は公務員であり、長女・雪乃姉ちゃんは現在国立の大学で経済学を学んでいる。
そして、二つ目は俺が高校二年生になっていたことだ。両親が死んでから十年も時がたっている。
一番下の里菜は両親の顔すら覚えていない。その上、死んだことさえも知らされていないのだ。二人は、海外出張で帰って来られないとしか言われていない。
そうして、里菜もそう信じ込んでいるのだ。
だから、里菜は愛されてここまで育てられたと言ってもいい。
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