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 ここは里菜たちがお世話になりすぎているゲームセンター————


 ————今日の落された商品の数、合計で二十個ほど。儲かった金額、およそ五万以上。まずまずだね……。


 女店長は今日もカウンターで店内の様子を見渡しながら、チェックを入れていた。


 一方で男性店員の甲斐は、荷物を持ちながら店内を歩いていた。


「すみません。通ります! すみません」


 今日はいつもより来店するゲーマーが多い。


 ————はぁ、また魔の終末が来たな。今月で悪魔が来たのは三回。うちはその悪魔のせいでやばいんだよな……。


「あら、そこの店員さん? 通してもらえるかしら?」


「あ、すみません。どうぞ……あ!」


 甲斐は彼女に気がついた。そして、店長の方を見る。


 ————店長‼ 今日は最強の最悪の悪魔が来てます!


 ————なにぃいいいいい‼ ま、まさかゲームセンター荒らしが現れたのか‼


 ————は、はい! 今目の前にいます!


 と、二人は頭の中で会話をしながら揉めていた。


 そして、その客はカーレースのゲーム機の前に立つと、深呼吸をして座席に座った。


「よし! 今日は何が何でも一位になってやる!」


 そう決意した彼女は、百円玉を入れ、カードをかざしてデータ入力をする。


 そして、ゲームがスタートした。彼女のキャラクターは二列目の左端からのスタートだ。


 カウントダウンが始まり、いよいよスタートする。


「いっけぇえええええ‼」


 と、思いっきりハンドルを握りながら激しい動きをする。


 ————いきなり始まったよ! だが、それでいつも上位ランカーなんだよな……。本当に何も言えない。


 甲斐は頭を抱えながらため息を漏らした。


 すると、今度は太鼓をたたき、格闘ゲーム、仕舞いにはすべてのゲームを全力でやりきっていた。


「てんちょぉおおおお。彼女は化物ですよ! 手に負えません‼」


「とにかく、何とかしなさい!」


「わ、分かりました!」


 甲斐は彼女を追いかけて死角に入ったところで後を付けた。


 彼女の正体は雪乃だったのだ。


 左に曲がると、足元から急に前に出る。台車が勝手に進み。人々に当たり、甲斐はユーフォ―キャッチャーの台に当たって、機械は壊れ、涙目になりながら結局はこれをきっかけにこのゲームセンターは今月、赤字となった。

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