こんにちはとありがとうが現地の言葉で言えれば海外旅行って大体なんとかなる。

夏目泪

2017年8月24日-8月30、タイ旅行。

 2016年初夏、仕事をリタイアした両親がタイ北部のチェンマイでのロングステイを開始、2017年6月に一時帰国、同年8月にまたタイへ行くというのでそれに便乗して私もタイへ行ってきました。

両親はリタイア後はしばらく暖かい南国で暮らすという計画を何年も前から立てており、ついにそれを実行。タイは何度も行っており、マレーシアとタイで迷った結果タイにしたとのこと。

私は初めての海外でした。雨季とのことだったので、どれだけ降られるのか少し心配しながらいざタイへ。


 初日、2017年8月24日。

まずは新千歳空港からバンコク・スワンナプーム国際空港へ。

新千歳-バンコク間の飛行機はかなり空いていて、一列を独り占めできる状態だったので思う存分に読書を、と思ったものの機内の乾燥具合のおかげで本は反り返るわ目は乾くわで、読書は途中で断念。少しお昼寝をした後、iPadでシン・ゴジラを鑑賞。

利用したのはタイ国際航空だったのですが、母曰く「大韓航空と違ってCAさんがみんな優しい、機内食もおいしい」との事。三時のおやつにたい焼きが出ました。タイだけに。

5時間程度のフライトの後、タイの国内線に乗り換えるためいったん降りたのですが、飛行機を降りた瞬間にむせ返るような熱気が押し寄せ、「こんなところで一日も過ごせる気がしない」という嫌な予感とともにチェンマイへ。バンコク-チェンマイ間の飛行機はかなりの混雑具合。

ランチではライスと一緒にパンが出てくるという炭水化物愛溢れる機内食だったのですが、バンコク-チェンマイ間は1時間10分程度にもかかわらずペットボトルの水とホットスナックが出ました。

気前いいのは結構だけど、太る気しかしない。


自宅を出たのが朝7:30頃、チェンマイにある両親の住まいに着いたのが20時頃、結局13時間ほどかかりました。

通関手続きはバンコクで終えていたのでチェンマイ空港では荷物を受け取ってすぐに出られました。

大韓航空を使って仁川経由で入国すると通関手続きが厳しいとの事。どうも最近、韓国人が肉類を持ち込もうとして、それで厳しくなったのだとか。

(タイは肉類持ち込み不可)


一時帰国前に食料品はすべて消費していたとの事でまったく食べるものがなく、時間も遅かったのでその日は近所にあるケンタッキーとピザハットという「ほんとにタイかよ」というチョイスな夕食でした。

夕食を食べ始めてから激しいスコールが屋根をたたき大変賑やか。


両親の住まいは長期滞在の日本人向けアパートでかなり広いものの部屋数の問題で私が泊まれない為、両親の住まいの隣の部屋を借りておいてくれました。2LDKでめちゃくちゃ広い。水回り以外は豪華。床は(多分)大理石で無線LANも使用可能。

しかしながらトイレ事情が衝撃的。使用済のトイレットペーパーは流せない(流すと下水管が詰まる)ので、トイレ脇に袋を提げておいてそこに捨てるのですが、トイレのタンク横に小さいシャワーがついていて、それを使って洗ってから拭くのです。ウォシュレットじゃないです。シャワーです。

写真撮っておけばよかったなぁと思いつつ、トイレの写真を撮るってどうなのよとも思う。


夕食後は自室でのんびりしていたのですが、Huluはエラーになって視聴不可。Netflixは視聴可能でした。


二日目、8月25日。

両親は荷解きをしなければいけないため忙しい、ということ近所の銀行での両替に父が付き合ってくれた後、道のわたり方、付近の目印などを教えてくれたあと地図を渡され「散歩でもしてくれば」との事で初めての異国の地で放置プレイされました。

「道のわたり方」ってどういうことよ、って思うでしょう。

これがね、日本のような横断歩道なんてものはないわけですよ。基本、車が途切れたところで左右を確認しつつ渡るんです。

しかし幹線道路のような大きな道路だと全然車が途切れない。一応押しボタン式の信号があって、青に変わったら渡れるということになっているそうなのだけれど、父曰く「青になったからって必ず車が停まるとは限らないから気を付けろ」だそうです。


ちなみに1バーツが旅行時のレートで3.3円くらいでした。

現地では長財布を使っている人を見ることがなく、普段使っている自分の財布をそのまま使うのは怖かった為、お札も小銭も全部小銭れに入れて持ち歩きました。


この日の天候は曇りで若干の雨。

散歩を始めようにもなにせ南国なのでとにかく暑い。散歩中に熱中症にでもなったら目も当てられないと思い、とりあえず散歩開始直後に見つけたセブンイレブンでお水を買いました。

どういうわけか、タイにはやたらとセブンイレブンがあります。ローソンやファミリーマートはないのですが、セブンイレブンはとにかくいっぱいあります。

ペットボトルの飲み物が大体25バーツ程度でしたが、セブンのプライベートブランドのお水は8バーツだったため、それを持ってレジへ。

中国人らしきおじさんがレジの女性に「なんで中国語できないんだよ」みたいなことを英語で文句言っていました。英語通じてんならいいじゃない。

レジのタイ人女性はそっけなくNoとあしらいつつ、私を見て苦笑い。

おじさんの会計が済んだあと、お水を持ってレジへ。袋は断ってあっさりお会計を済ませ、散歩スタート。


適当にうろついたあと、「これ以上歩いたら迷子になりそう」と思った為引き返し、初日の夕食を調達したのと同じケンタッキーへ。


日本では見たことがない、ライスのうえにパクチーやオニオン、一口サイズのチキンがのっているライスボウル?をテイクアウトしました。


ケンタッキーの近くにカフェがあったので、ちょっと一息いれようと思いレジでメニューをみると「ここのページのを買ったらもう一個ただでドリンクもらえるよ」と店員さんがやたら推してくる。結局推しに負けてそのページにあったアイスカフェラテを買ってお店で飲んだら、まぁ甘いこと甘いこと。タイの飲み物はやたらと甘いんだというのを遠い昔聞いたのを思い出しました。

無料でもらえる分は甘くない瓶入りのコールドブリューコーヒーにしました。氷とオレンジスライスの入ったカップもセットでいただきました。


ケンタッキーで買った昼食とコーヒーを持って帰宅。

両親の部屋へ顔を出したら、タイでお世話になっている旅行会社の方がきていて紹介されました。

日本にいるときから「セキさんが、着いたら連絡くれって」など言っていたので関さんという日本人の方なのかと思いきや、セキサンさんという名前のタイ人の方でした。

タイ語はサワディーカー、とコップンカーしかわからないので、拙い英語で挨拶をしていたら、横から両親が「セキサン日本語話せるよ」と言い出し、セキサンさんも流暢な日本語で話し始めたので苦笑い。

セキサンさんは日本語も英語も出来るトリリンガル。童顔なので30代前半くらいかと思ったのですが、後日50歳だと判明。肌がきれいすぎてうらやましい。


昼食を自分の部屋で摂ってのんびりしたあと、再び両親の部屋へ。

ライスボウルは見たところ辛そうなものは入っていないようだったのに、非常に辛かったです。

何か食べたいものはないかと尋ねられたので「せっかくだからなにかタイっぽいもの」という漠然としたリクエストを出した結果、現地の人が利用する市場とスーパーへ買い出しに行ってきました。

両親は別にタイ語や英語が出来るわけではないため、市場でのお買い物の際は電卓を持っていき、それをお店の人に渡すとお店の人が電卓を叩いて値段を示してくれる、というやり方を取っているそうな。

しかし、私がついていくとお店の人は電卓をたたく前に私に英語で30バーツとか20バーツとか言ってくる。なぜ。

結局私が母に「30だって」などと訳してお買い物。


この日は市場でお惣菜と炊いてあるもち米を買って夕食に。

もち米は独特のにおいがきつくて、食べきれず。お惣菜は美味しかったです。

やはり夕食を食べ始めてからスコールが賑やかに屋根を叩いていました。



三日目、8月26日。

天候は曇り。

この日はElephant Parkへ。

象の背中に乗ってPark内を一周するのですが、激しく揺れるためかなり怖い。

そしてPark内で象がところ構わず糞をするのでそこはかとなく臭い。でも、Park内で同じく象に乗っている観光客と手を振り交わして、なんだかんだ意外と楽しかったです。

象に乗った後は牛車に乗ってまたPark内を回り、その後川下り。

川下りなんて優雅じゃない?なんて思ったそこのあなた、大間違いです。

泥川を竹製のいかだに乗ってくだったのですが、ガチで筏でした。船じゃないです。筏です。筏に申し訳程度の木製の座席がついていて、掴まるところは何もなし。

川の流れも緩やかとは言い難く、しかも象の糞が浮いている。絶対に落ちまいと決意した、なんともエキサイティングな川下りでした。


Elephant Parkのあとは、Orchid Parkへ。

いろんな蘭が咲いていましたが、そんなに規模は大きくなかったかな。

入口で蘭を一輪胸元に挿してもらいPark内を一周。なぜか門には大量のプラスチック製のチェーンがぶら下がっており、それをかき分けて門をくぐっているうちに蘭は行方不明に。

Orchid Parkのあとはどこかのお寺へ。

小さな仏像があちこちに散在していましたが、どれも頭が破壊されていてなんとも哀しげ。詳しいことは忘れてしまいましたが、どこかの国と戦争した際に宗教観の違いから破壊されたんだそう。


お寺を観終えた後は、チェンマイで一番大きなデパートとその周辺をうろうろ。

お寺から市街に移動したあたりから天気が良すぎて非常に暑かった為ぐったりしましたが、デパートで両親と一緒にアイスを食べて復活しました。


四日目、8月27日。

天候は晴れ。

この日はゴールデントライアングルへ。両親の他、現地滞在中の日本人家族2組が一緒でした。

セキサンさんがワゴン車を手配してくれていて、車での移動でした。


ゴールデントライアングルへ行く前にワットロンクンという白いお寺を拝観。


ここは、ロンクン村出身の芸術家の方がご自分の財産を使って村の為に建てたお寺なのだそう。

ワットが寺、ロンクンは地名、ロンクン村にあるお寺だからワットロンクン。

ちなみに入場の受付のところにお寺を建てた人の等身大パネルが置いてありました。

日によっては本人がいるらしいです。

一部土足禁止で、靴を入れる袋をもらいます。池のようになっているところを渡してある橋を歩くと、どうやらそこは地獄を表しているらしく、有象無象の手がニョキニョキと生えており、しかもその手に目がついていたりとなかなかにグロテスク。その橋を渡り終えるとお堂があって、そこが天国ということになっており、天国は撮影禁止。堂内はお寺を立てた芸術家が描いた天国のイメージが描かれていて、そこにはマイケル・ジャクソンやらなにやら色んな有名人が描写されており、お寺と現代アートのコラボというなかなかに面白いお寺でした。


ワットロンクンのあと、いざゴールデントライアングルへ、と思いきやまず一旦ミャンマーへ入国しました。

ミャンマーでもお寺を見たのですが、仏壇は電飾でキラッキラです。エレクトリカル仏壇。

通常、仏様は半目で目線が下を向いていると思うのですが、ミャンマーの仏様は目を見開いています。ちょっと怖い。


ちなみに、タイやミャンマーの方々は自分が生まれた日の曜日や、午前午後どちら生まれなのか把握しているのが当たり前だそうです。

お寺の外にある巨大な仏舎利塔には生まれた曜日別に拝むところが決まっていました。

仏舎利塔もやはり土足厳禁で靴を脱いで拝観するのですが、靴を脱いでいると日傘を差しかけにわらわらと人が寄ってきます。しかし断らないでいるとお金を取られるのだそう。セキサンさんのアドバイスに従い即お断りして自分の日傘を広げました。


ミャンマーからタイへ戻った後、ゴールデントライアングルへ。


黄金の三角地帯という名前の由来は、昔ここで麻薬の取引が盛んだった頃、現地の通貨では価値が低いため金でやり取りしていたから、との事。

でも今はもうそんな危険なところではなく観光地になっています。

メコン川クルーズの途中、ラオスにも入国しました。

クルーズなんて優雅じゃない?って思ったそこのあなた、やっぱり大間違いです。

えらく広い大きな泥の河を、漁船に毛の生えた程度の船で変わり映えしない景色をずっと眺めるというどう楽しんだらいいのかいまいちわからない微妙な時間でした。

ラオスの船着き場で船を降りると、屋根のある桟橋がよほど居心地がよかったのか、男性が一人お昼寝していました。

ラオスは現在チャイナマネーでかなり潤っており、タイからラオスへ出稼ぎに行く人も多いそうな。

上陸して土産物店を見て回ると、瓶詰された蛇の焼酎漬けのようなものがどのお店にも置いてありました。結局ラオスでは少し船着き場近くにいくつもある土産物屋を見てトイレを使っただけで出国。

トイレが劇的に汚かったことと、蛇の瓶詰だけが印象に残りました。なんかごめんね、ラオス。

入国した際に見かけたお昼寝の男性は、我々が出国するときもまだ寝ていました。


この日は移動時間が長く、帰りの車ではほとんど全員眠っていました。

夕食は現地ではちょっと有名らしいイタリアンのお店へ。

客は自分たち以外全員ファラン(欧米人を指すタイ語)という、タイというだけでもアウェーなのに、タイにあるイタリアンレストランで欧米人に囲まれて日本人が食事をしているという不思議な状態。

両親や同行した人たちには英語と日本語が併記されているメニューが渡されたのに、なぜか私のみ英語だけのメニューを渡されました。なぜ。

生演奏の歌と音楽を楽しみながら和やかに食事を摂った後はソンテウを使って帰宅。

ソンテウはタイの乗合タクシーなのですが、大変ワイルドな乗り物で、後方にはドアがなく開けっ放しです。市内であれば20バーツくらいで乗れます。日本円で70円くらいですね。大変格安。


四日目、8月28日。

天候は晴れ。

この日は母と一日、オアシススパというところでゆっくりとスパを満喫。

スチームバスに入ったり、スクラブマッサージ、リンパマッサージなど色々施術してもらいました。

施術が全部終わったあとはお茶とフルーツをいただいて一休み。

チェンマイはタイ第二の都市ということで観光客も多いせいか、コンビニでもどこでも大抵タイ語と英語両方が使われていますが、タイ人独特の訛りもあるので幾分聞き取りにくいです。

でも、こちらが聞き取れないでいても辛抱強く対応してくれます。タイ人は優しいですね。

「仰向けになってくれ」を聞き取れないでいたら日本語で「アオムケ」と言ってくれたスパの人、ありがとう。


この日の夕食は両親宅でうどん。あ、日本食って美味しいとしみじみ思いました。


五日目、8月29日。

この日は二日目にも行ったスーパーでお土産探し。タイ土産というとドライマンゴーくらいしか思いつかなかったのですが、母の提案で現地でしか買えないテイストのプリッツやインスタントラーメンなどを購入。

トムヤムクン味、ラーブ味のプリッツ、マンゴーポッキーなど会社で好評でした。

タイに行くことがあったらラーブ味のプリッツを買うといいと思います。

ちょっと酸味があってピリッとしていて、おそらくお酒のアテに良いのではないかと思います。私はお酒呑まないけれど美味しくいただきました。


一通りお土産を買った後、部屋に戻って荷造り。

帰りの飛行機まで時間があったので荷造りを終えた後は両親宅で早めの夕食をいただきました。いなりずしと具だくさんのお味噌汁。やっぱり日本食おいしい、というか母の料理がおいしい。


食事を終えたあと、両親がチェンマイ空港まで送ってくれて、出発までスタバでゆっくり。


両親は初スタバだったそう。

スタバはタイでも日本でもお値段ほとんど変わりなし、ということだとタイではかなり高級な部類に入ります。

さすがに旅の終わりごろにはタイの貨幣価値の感覚が身についてきました。


チェンマイからバンコク・スワンナプーム国際空港へ国内線で移動し乗り継ぎをしたのですが、乗り継ぎの場所が遠くて1km弱歩いたかな。

帰りの便はそこそこ混んでいたものの、私が座っていたシートは一列全部空いていたため、シートを独り占め。飛行機に乗るといつも猛烈な眠気に襲われるのに、今回は全く眠れず、暗い機内の中でまたシン・ゴジラを観ていました。その後少し横になって目をつぶって休憩。

ちなみにチェンマイ-バンコク間の国内線でやはりホットスナックが出て、スワンナプームを出たのが深夜の1時頃なのに搭乗直後にサンドイッチ、翌朝6時頃普通に朝食が出ました。


タイ国際航空、そりゃもう怒涛の勢いで炭水化物責めです。

行きも帰りもチキンを選んだのですが、アルミ製のトレーにライスと照り焼きチキンが入っているものがアルミホイルで蓋されていて、何故かその上にロールパンがのっていました。帰りの照り焼きチキンはちょっとスパイシーなタイ風の味付けでしたが、やはりライス&パンでした。


新千歳空港には翌朝8:30頃到着。

自分の荷物がなかなか出てこず、そして、初めて麻薬犬をみてちょっとドキドキしました。なにもやましいことはないけれど。

フルーツ犬というのもいて、違法に生の果物を持ち込むのを取り締まっているそうなのですがお目にかかれず。

荷物を受け取ったあと、通関の手続きをしたのですが、てっきり荷物検められるんだろうと思っていたのに「あ、大丈夫ですよー」とあっさり終わりました。拍子抜け。



タイは雨季との事でしたが、ほとんど雨に降られず天候に恵まれた旅行でした。

ほんの一週間弱海外に行っただけなのに、帰国後やたらと和食ばかり食べたくなったのは何故でしょう。

帰国後最初の食事はお蕎麦でした。


海外旅行に行く際は、現地の言葉で「こんにちは」「ありがとう」が言えて、あとは少し英単語が分かれば意外となんとかなるものですね。

できれば次は台湾に行ってみたいと思ってはいますが、実はさほど旅行に興味がないので行くかどうかは不明。パスポートの期限が切れないうちに気が向きますように。

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