運命の女神様!

うすしおポテト

第1話 もう一度君へ

「何て嘆かわしいんだ…」


高校卒業を終えたばかりの 、南山 忍

は高校の野郎どもとのお別れ会が終わり、

寒く静かな薄暗い道路を一人寂しく

歩いていた

周りのみんなは、彼女がいるのに

私にだけ彼女がいない、これは何かの

陰謀では無いだろうか

そんな根も葉も無いことを考え

歩く


「もしもあの時…」


あの時の光景が脳裏に浮かぶ

僕は願った、


「ああ、今日もし彼女と仲を

深める機会をくれたのならば運命の女神を

一生信じ信仰しよう」


その時の僕と彼女の関係はこうだ


僕、恥ずかしくて彼女を避ける

彼女、僕に積極的に話しかけてくれる


そして休日たまたまケータイショップ

で会い逃げようが無く頑張って会話

し中々盛り上がった


そして彼女の連絡先を手に入れしばらく

会話していたが当時の私はそこまで

会話アプリでの会話が得意でなかった

それはいい


今日の帰り際頑張って彼女に話しかけた

少し楽しく会話し、言いたい言葉は出ず

彼女の笑顔を見るだけに終わった


こんなの誰が観ても運命に愛されている

思う構図であろう

そしてなおかつ僕は、天性のヘタレ男だろう

そう思ってもらって構わない

ただ少し弁解をすると

以前僕は好きだった女の子に告られ

次の日返事に悩んでいると、

その子はアメリカに引っ越していた

笑うしか無い

何処のラノベの話か気になる人

もいると思うがこれは実話であり

ノンフィクションである

それから少しずつ女性に苦手意識を

持つ様になったのだ


不意に立ちどまり夜空を見上げる

冷え切った夜の空に綺麗な星たちが

輝く

告白は必ず自分の口からと決めている

今更、彼女に告白する勇気もない

するならばあの時だった


届くはずもない星たちに

手を掲げ強く握る


「もう一回...もう一回あの時に

戻れたら」


その時、運命の女神様はもう一回

微笑んだ


隣を見れば、あの時告白して

僕を置いていってしまったあの子だ

夢を観ているのだろうか

それならいっそしたい様にしてやろう

桜の葉が舞い散り、よく晴れ暖かく

女の子特有の甘い匂いがする

こんな素敵な夢の中で僕は

言葉を出す


「葵さん、もしよければ

今度一緒に遊園地でも行かない?」


夢の中でもヘタレな僕でした

でも、告られるまで会話なかった僕からしたらだいぶ頑張った


彼女を見るとその凛と顔が崩れ赤くなる

可愛い


「い、いきなりなのを言い出すの!?」


「だ、だめかな?」


思いっきり慌てふためき、体の前で

手を振る


「だ、ダメって言ってない!

だだ、あまり親しくないしかも異性の男

にそう言われるって思ってなくて...」


「そっか、じゃあいいのかな?」


「う、うんいいよ」


今も慌てているのか、普段は口調も凛と

している葵さんが、しどろもどろになって

答えている

目線が泳ぎまくっていて定まっていない

体も黒板を向いてしまっている


「は〜いみんな席について〜」


ほのぼのとしていて男子から人気の

化学先生が教室に入ってくる

騒がしかったクラスメイト達が静まり

それぞれの机へと戻っている


「でわ、この話はまた後で」


「あ、うん」


急いで化学の教科書を出す

そこにはまだ折り目など全然ついていない

綺麗な教科書があった

学年を見れば一年と書かれている


やけにリアルな夢だなぁ

てか、夢の中でも授業とかめんどすぎる

どこかにスキップボタンとか無いだろうか

見つけた方は是非教えていただきたい

そろそろ夢から覚めるかな

そう思いしばらく外を見つめていた


「は〜い、ここ大事だから覚えといてね〜」


気がつけば1時間終わっていた


「起立、「ありがとうございました」

着席」


夢、長すぎない?

ほっぺたをつねってもただ痛いだけで

夢から覚めなかった


「で、さっきの話の続き何だけど」


「うん」


あれ〜おかしい覚めないゾ

顔はいつもの凛としたものに戻っている

耳が少し赤っぽい、風邪だろうか?


「遊園地はどこか決まってるの?」


「ここの近くにあるあそこでいいかな」


「いいわよ、待ち合わせは

そこの遊園地の近くを通るここの駅に

9時くらいにどう?」


「おっけ、了解」


「楽しみにしてるわ」



そう言い終わると、机を立ちいつもの

グループのところへ早足で、行き話し始めた


「おいおい、何があった!?

あのヘタレで有名な忍が女子と、しかも

あの美人で有名な 葵さんと話すとか!?」


「うるせい!誰がヘタレだ!」


「まあ、女性との進展があったのは

よかったじゃ無いか

そのフラグは俺がバキバキに折って分別して捨てとくがな」


高校時代の親友の

小林 明 と花井 恵一 である


明はバカだが性格が良く、

優しくて誰にでも積極的に話しかける

目が大きく、好印象で顔も愛嬌があり

部活はサッカーをやっていて、体つきは

しっかりしている


恵一は頭が良く、切れるのだが

俺と同じオタクで変態さんななフレンズ

眼鏡をかけていて、髪も特にいじることは

せず制服も着崩していない

文化部なので体はひょろひょろ


「恵一って変なとこ真面目だよな」


「そうか?」


恵一が首を捻る


「そうだよ、この間だって好きな

アニメのキャラゲー好きなキャラしか攻略

しなかったし」


「お前らにとってはそれは真面目な

部類に入るとかよくわかんねーわ」


そう言って明は呆れている


「話題には困らないよう、少し会話の

勉強でもして見たらどうだ」


「え〜めんどくせー」


「いきなり女の子と二人きりで一日中会話

出来る自身があるとは、流石は我らが

主将、忍君!俺たちにできないことを平然とやってのける!」


「そこに痺れる!憧れ...じゃねえや、

すいません、自分無理です」


「素直でよろしい」


この日僕は放課後まで、夢では無いかも

しれないとゆうことをすかり忘れ放課後まで過ごした

まだ賑やかな学校を一人、靴を履き替え

学校を出る

まだ外は明るい、景色に特におかしい点はない、おもいっきり胸に空気を吸って

みる、少しほのかに匂いがするだけだ

ほっぺたを少しつねってもみたが痛いだけで

夢から覚めなかった


これはマジでタイムリープしてね!?

やばすぎだろ


そんな事を考えながら多分有るであろう

家へと足を進める、因みに僕の高校時代の

部活は帰宅部である


青春よさようなら


たった今すれ違った中学生の会話を聞いて

みたが今日の学校の授業の事の様だ

夢にしては流石に出来過ぎだ


しばらく歩き家の前に着く

ごく一般的な家庭である、妹がいるのだが

この頃はまだ中学生三年生になったばかりで

部活に打ち込んでいる様だ

二階に僕と妹の部屋があり自分の部屋に

ベッドに倒れこむ

この頃はこの後ゲームか読書をしていたが

流石にそうはいかず一度自分の置かれている

状況をまとめてみる


日時を確認すると僕が卒業した

約3年前になっている


この状況は僕自身の夢の中では無いかとゆう仮説を立てたがこのあまりにもリアルすぎる感覚的にその可能性は低くなっている


この時代に飛ぶ前僕はやり直したいと

願った


「僕は願った通り時間を飛んだのか?」


それなら同じことをすれば元に戻るだろう

また再手を突き上げてを軽く握り思う


しかし、そのとうりにはならずことごとく失敗した


「マジか〜」


わかっていたがそう簡単にはいかなかった

条件が違うのだろうか、また後で試してみるとしよう


バタン

玄関の戸が開く

誰か帰ってきたのだろうか

しかし時計を見るが流石に速すぎる

そう考えている間にも足音が近づいて来る

たまたま両親か妹が帰ってきた可能性があるが僕に一声掛けてくれるほど和気あいあい

とした雰囲気のはずだ

思考がどんどん悪い方に行く中、無慈悲にも

足音が近づいて来る、妙な胸さわぎがして少し身構える


階段を登り部屋に向かって来る


「ヤバいか?」


もしかしたら、ヤバい機関の連中かも

しれない

生唾を飲み、身構える


そして勢いよく扉が開き、緊張した僕が見たのは


可愛い天使みたいな女の子だった

髪がふわふわと柔らかく、顔は百点満点の

笑顔で背は少し低めだろうか

体つきも全体的に細く胸も控えめ


「どう!? 楽しんでくれてるかな?」


高い声のトーンでいかにも楽しそうに聞いてくる


何を言ってるのか訳がわからずキョトンとした声で聞き返す


「君は誰?」


「私?私は運命の神さまだよ!」


屈託のない笑顔でそう返される


「神さま...?」


「そう!神さま!」


普段なら頭おかしいやつで会話終了なのだが事態が事態なのでもう少し会話してみる


「なら僕が今どうゆう状況なのか分かる?」


「もちろん!君は高校卒業直後、自分の

高校生活に未練があった、そして私が君を

高校生活の最初に戻したの!」


「マジで女神だったか」


「そうだよ!マジだよ!嬉しい?」


「ああ、ものすごく嬉しい」


女神マジ天使 ん?なんか違くね?


「えへへ、嬉しいなぁ」


髪をいじりながら顔を赤くし、俯く


「ちなみに僕は帰ろうと思えば帰れるのか」


「帰れるけど、帰りたい?」


確かに何となく帰ろうとしたが、もともと

望んだ通りになっただけだ


「いや、このままがいいな」


「了解です、その代わりと言っては

何ですが今日からあなたの家に泊まり

ますね」


とんでも無いことを平然と言ってくる

いや、女神にしたらこんなこと何と

も無いかもしれないが、健全な男子高校生

の俺からしたら大問題である


「そんな、いきなり無理に決まってるだ ろ!?」


「大丈夫ですよ?

あなたの親と妹には私を親戚の子が

行きたい高校の近くであるあなたの家に

住んでると認識してもらうので」


とんでも無いことをあっけらかんと言っ

てしまう


「しかしだなぁ...」


「それでもダメですか!」


瞳を潤ませ鼻がつきそうな距離まで

顔を近づけて来る


つい意識してしまう、なるべくそれが

伝わらないようとっさに言葉を紡ぐ


「まっ、まあ、俺の望んだ事を叶えて

くれたもんな!

それくらい全然構わないよ!

いくらでも泊まっていってくれ!」


「やった!」


ベットの上で飛び跳ね思いっきり喜んでいる


「ちなみに寝る部屋は忍の部屋だからね!」


「おい!まてい!」


こうして俺と女神様との生活が始まった

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