悲願

星の光を借りて、湖と宝石だけが輝いていた

舗装が途切れ、駱駝の足が砂を踏みしめてゆく

易者は座ったまま何の反応も示さない

派手な髪飾りが暗闇に蠢く


「聞きたいことがあります」

「何だ」

「この苦しみはあと何年続くのですか」

わざと涼しい顔で、尋ねた


自分のいるべき場所へ帰る

全ての世界が一際美しい

許される者など他にあろうか

最も希ったことを僕は叶えられたのだ

                  (二〇一八年一月十三日)

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