移り気

文野麗

秘めたる陶酔

独りこっそり駆け込んだ

甘い果実と春の町

もう出来ている広場に入り

青空眺め微笑み眠る


人にもまれて街を歩いて

汚れた道を見つめるときも

ただ想われる、あの子のことが

きれいに編めた小道を急ぐ


雨降る夜は傘持ち走る

瓜を食べれば瓜を育てる

川を止めるのは試みない

ボート遊びを試してみるか


いくら頭痛に悩まされても

あなたのことは決して離さぬ


                 (二〇一七年十月三十一日)

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