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 ―――Ren.


 右端にある、黒い刺繍ししゅう。文字は少し傾けられて、それぞれ文字の間が繋げられている。

 おそらく、彼の名前かその一部だろう。

 しかし、白火は異種族の、異世界の文字を知らない。なんて読むのかわからない。第一、それが文字であるのかすら定かではない。


(明日、朧にきこう…。何か知っているかもしれない)


 朧は白火とは違い、異種族の文字やその読み方を知っている。少なくとも、白火よりは知識があるだろう。

 白火はハンカチを綺麗に折り、机の上に置く。そして寝床に入り、スヤスヤと安らかに眠りに就いた。

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