02

 ずっとおとうさまのおっしゃること全てに従ってきたのに、一族の次期おさに相応しくなるように努力してきたのに。


 私に何が足りないの?


 私自身じゃなくて彼が気に入らないのは、彼がだから?

 だからといって異種族に決して恋をしてはならないと決めたのは誰?

 それはおとうさまのエゴでしょう?



 私の恋まで縛らないで。おとうさまはおかあさまと恋愛をして、ちぎりをわして、私とおぼろを産んだのでしょう?







 それでも許してくださらないのなら、かけおちしてやる。








 たとえ、どんな運命が私を待ち受けていようこの身を滅ぼすことになろうとも構わない。

 私は自由になり愛する人と生涯を全うしたかった。

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