異世界生活始めませんか?
観月透
第1章 始まりの始まり
プロローグ 『夢の中で』
「――おい!―――おいしっかりしないか!お前は俺の実の息子のはずだろう、筆頭幹部としての自覚を持った行動をしろ!○○○○!!」
何だこれは。俺はこんな声の親は知らない。知っているはずもない。
俺を取り囲むのは12人だろうかハッキリと姿を判別することはできないが知らない奴らだ。その真ん中に俺は俺を叱咤する誰かの正面に呆然と立ち尽くしている。
否、立っている感覚は疎か自らの四肢の感覚すらないのだ。言ってみれば存在だけそこにあるように。
「―――なさい!」 「―――起きなさい!遅刻するわよ一誠!!」
ああ、この声だ俺の親の声は。毎日のように聞く母さんの声だ。
先程まで俺を囲んでいた12人は俺の正面に整然と並んでいる。
「いつかお前も気付くだろう。我が力を受け継ぐ時が来ると」
本当に何を言っているんだろうか?俺は健全健康な青春真っ盛りの高校生…とは言い難いが高校生だ。力?受け継ぐ?まぁいい。
どうせ夢だろう。
―――不思議な感覚だ。 今まで17年毎日繰り返してきた朝の感覚。それが今日だけ妙な浮遊感に見舞われている。
「どうせ昨日の夢のせいだろう。」………夢?
俺は何の夢を見ていた?全く記憶が無い。
「――まぁいいか」
持ち前の面倒なことは極力避け目を逸らす俺の性格の前ではこんなことは気にかけるようなことでもないし興味の対象ですらなかった。――はずだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます