14話:楽土は遠く






 最初に、異性としての『好き』をくれた娘だった。







 だから苦しませるつもりはなかった。

 けれど、それを口にしたら言い訳にしかならない気がして、少年は声を発さなかった。

 言葉を口にする余裕など、どこにもなかった。

 そう、謝罪は要らない。罪悪感も必要ない。

 何一つとして落ち度のなかった人間さえ、一度、運命に選ばれれば、どうしようもない悪になる。

 超人災害、もしくは超常種のレベル4、人体を汚染するカタストロフの根源として。


 『誰か』が、一刻も早く止めなければ、見知らぬ『誰か』が尊厳のない肉塊へ変わるのだ。


 どれだけ人でなしの理屈であろうと、正しいはずだった。

 静かに命を失って、人間みたいに熱の失せた死骸へ変わっていく過程に、おのれの激情を見出そうと足掻いた末。

 それが自分にとって、髪の毛が一本抜けた程度の喪失感だと気付き、少年はようやく悟った。





 自分は、怪物を殺すための怪物なのだと。









「そも、亜人とはサイボーグと同じ、能力を拡張された人間の一種だ。生来のインプラントに適合し、極限まで肉体の汎用性を拡張した存在だよ」


 空を見上げれば、途方もなく大きなアーチが見えることだろう。

 はるか南方、太平洋の彼方まで伸びる推奨のごとき巨大知性体。


〈異形体〉。

 それが現在の日本列島、ひいては太平洋沿岸の文明の守護者である。

 そのお膝元で治安維持に当たる組織、UHMAユーマの本部施設は北日本居住区のど真ん中、〈異形体〉が根を下ろした都市にあった。

 四方を山に囲まれたすり鉢状の地形、盆地の中心部にそびえ立つ巨大な高層建築である。

 高さからいえば塔といってもさしつかえないが、横幅も広いため、遠方から眺めると立方体に近い印象を受ける。

 塚原ヒフミが立つ場所、地上一〇〇メートルの高さにある研究室もその一つだ。

 高層建築の内部にもかかわらず、その天井は高い。

 軽い球技の一つも出来そうなぐらいだが、眼前のサイバネティクスを見ているとそんな感想も吹っ飛ぶ。


 黒光りする触手の化け物が、こちらの目線に合わせて立ち上がる。

 触手――強靱な人工筋肉を何層もの合成樹脂で覆った逸品であり、一本一本が柔らかな豪腕――で覆われた球体が、蛇のようにうねる触手で床を踏みしめていた。

 その表面を覆う鱗状の構造物は、光学的センサーと聴覚素子を兼ね、球体に格納された脳へ外界の情報を送り込んでいる。

 高度なロボット技術を転用したサイボーグだ。


「つまり彼らもまた、私と同じ人類ということだ」


 主に見た目の問題で、人類の範疇はんちゅうに含んでいいのか悩ましい、頭足類イカやタコめいた物体が断言。


「すいません、わざとやってますよね?」


 蠢きまわる触手を使って歩行中の男を軽く睨む。

 エティエンヌ=ラキルはヨーロッパからの亡命者であり、現在はUHMAで食客をしている奇特な人物だ。

 二二世紀のご時世でも珍しい、肉体のほとんどを置換したハイエンドサイバネティクスで、その進歩的すぎる肉体同様に言動がぶっ飛んでいる。

 控えめに言ってマッドサイエンティストの類だ。


「その物言いはよくないな。君はサイキックとしてリベラルに振る舞った方が得だ」

「僕の肉体は保守的なんですよ」

「残念だが、伝統的な人類は脳組織が吹き飛んだら死ぬ」


 見た目の問題ですよ、そうヒフミが返すとエティエンヌ愉快そうに喉を鳴らした。

 彼の人工声帯の性能は抜群らしい。


「容姿など伴侶を引きつけるための要素に過ぎない。ヒフミくんにインプラントが出来たら、この喜びを共有できたろうに……愛の楽園エデンはここにある」


 拡張現実に理想の異性をインストールし、現実と重ねて情報処理しているだけあって主張も過激だ。

 いわゆる脳内彼女という奴だ。

 想像力豊かな人種特有の妄想だったはずの概念は、今や技術の進歩によって現実のものとなっている。

 エティエンヌが異性との接触に求める精神的効能のほとんどは、人間そっくりに感じられる人工神経の錯覚で事足りるのだ。

 しかし世界的な人口減少により、規制を求める動きは根強く、欧州では違法となって久しい。

 エティエンヌが亡命したのは脳内彼女を規制されたからだというのが、口さがない局員のもっぱらの噂だが、ヒフミにとってはどうでも良いことだった。


「エデンの園って追い出されるためにあるんですよね」

「茜くんといい、君たち対策官は不躾すぎやしないか」


 エティエンヌが、本当に性格が悪いな、と嘆息。

 おそらくきっと、ヒフミのそれは教師だった白山羊のせいである。

 自覚があるくせに直さない時点で同類だが、青年は涼しい顔をして首肯。

 エティエンヌは本題に入ろうか、と佇まいを直し、触手の束を収縮させて椅子の上に移動した。

 本体の球体部分をクッションの上に横たえ、床に触手を設地させる独特の座り方だ。

 女性局員から苦言を呈されても仕方ないような気がする。


「導由峻くんだったかな。君がご執心の賢角人けんかくじんというのは」


 話題は目下、ヒフミの護衛対象にして観察対象である娘の話だ。

 変人奇人ではあるものの、この人物の知見は本物である。

 いかんせん、イレギュラー中のイレギュラーの相談が出来る相手など、彼ぐらいしかいない。


「ええ、特殊すぎて対処に困っています。助言をお願いできませんか」

「女心だけは専門外だ。期待されているのはそれ以外の分野だろうな」


 肉体を機械化し精神を自己管理しようと、エティエンヌの根本的な人間性は改善されない。

 二人の間に微妙な沈黙が漂い、どちらからともなく乾いた笑いが漏れる。


「大きなお世話です」

「だろうな。一週間以内にボロが出る対策官殿には不要らしい」

「いっておきますが、今の僕は繁殖期じゃない」


 塚原ヒフミが彼女の専属になって、早二ヶ月の時間が過ぎ去っていた。







 そして現在、北日本居住区の事実上の中心都市『空ヶ島』にて――ヒフミは真っ昼間から荷物持ちをしていた。

 直線的なアーケード街の通りで、背広姿の若い男が女物のバッグを持つ光景。

 〈ダウンフォール〉中から続く伝統の商店街だというが、ここ一〇〇年以内に出来た店舗しかない場所だ。

 若い親子連れや、買い物客で活気ある町並みとはいえ、多少はこたえる。

 仕事である。

 危険手当こそ付かないが、銃撃や超能力で人体が千切れ飛ぶ鉄火場と給金は変わらない。

 この状況、果たして半年前の己に予想できただろうか。

 歩きながら、ちらりと横を見やる。

 寒空の下、両手にクレープの包み紙を持った妙齢の娘が歩いている。

 俗に女性は甘党だというが、あれはいくつになっても当てはまるらしい。


「塚原さんは少し、歩くのが速すぎます」


 そういって微笑む娘――導由峻しるべ・ゆしゅんを見ていると、毒気が抜かれもする。

 存外、自分にも人間らしい情緒があるじゃないかと感ずるヒフミであった。

 角が特徴的な亜人だが、黒髪の合間から伸びる、三日月型の二本角は露出していない。

 大きなマウンテンハットに角を隠すのが、彼女の賢角人としての嗜みだ。

 曰く「亜人にとって大事なところですから」とのこと。

 その大切な部分に二度も触ったヒフミは、今更ながら冷や汗を掻く。

 もう手遅れであった。

 アーケードの外では、ちらちらと雪の舞っている。

 ベージュ色のダッフルコートはタイトな着こなしで、スカートの下から覗く黒いストッキングが艶やかだ。

 モノクロの冬景色の中、決して豊満な体型ではないが、女性的な魅力が香るしなやかな肢体が眩しい。


「ははあ、失礼。しかしですね、荷物持ちって護衛になりませんよ」

「塚原さんは荷物を持てますが、隠れて警護している方々はクレープを運べません……いけませんか?」


 小首を傾げて問われては返す言葉もない。

 穏やかな声音だが、からかうような色。

 こちらの感じる焦り、羞恥心まで把握されていた。

 最早、事実誤認と言い張る余地はない――導由峻はサディストなのである。

 ヒフミの道徳観念はやや古風なので、二一三四年のうら若い女性の常識が、由峻の振る舞いである可能性もゼロではないが、それはもっと恐ろしい。

 畢竟ひっきょう、目の前の娘が変人であることを認めるほかない。


「ええまあ、警備上の問題はないと断言できますが」


 この浮世離れした亜人の警護に当たり、ヒフミは自身の権限でいくつかの戦力を用意している。

 交代制の警備部隊と無人機。

 都市空間というのは存外、人目に付かない場所があるものだ。

 たとえば手近なところでは、ヒフミから半径二〇〇mの位置に、歩行型の無人機が付き従っている。

 日本製の傑作機ラプトルシリーズである。


 脚部による歩行が行われるのは、人間の居住空間で戦うためだ。

 一〇〇年前、国内だけで一〇〇〇万人以上が亡くなったために、極東の兵力無人化は避けられなかった。

 人間が持ち運ぶには重い、機関銃や擲弾発射機グレネードランチャーの類――分隊支援火器を弾丸と一緒に背負い、長時間の行軍に耐え、ある程度の自己判断機能によって敵味方を識別、人間からの発砲許可を得て戦闘する無人歩行兵器オートマトン

 そして、人間の兵士の代わりに危険な屋内戦すらこなす代替歩兵。

 この機体が日本で開発された経緯は簡単で、異種起源テクノロジーの先駆者である亜人が政治的主導権を握ったのが、この国だからだ。

 なまじ人類の国家として長く持ちこたえた勢力ほど、この分野では後進国とならざるを得なかった。


 その原因となった天才の知識と才能、そのすべてを継承した超人。

 それが塚原ヒフミの護衛対象であり、そして場合によっては抹殺対象になり得る少女の正体だ。


 不意に由峻が足を止めた。手の中のクレープをじっと見つめ、少しだけ口の端をつり上げる。

 いやな予感がしたものの、身を引くには手遅れだった。

 ずいっと自身へ突き出され包み紙。

 小麦の生地に挟まれた生クリームとチョコソースが、ぷんと甘ったるい匂いを放っている。

 ヒフミの鋭敏な嗅覚をつく匂いはそれだけではないが、意識すると考えたくない悲劇を招きそうなので割愛する。


「塚原さんも食べませんか」


 振り返った由峻の笑顔はどこか悪戯っぽい。

 おそらくこれも、好意から来る行動なのだろう。

 だが、客観的にヒフミを評価する場合、金をもらって女の子と逢い引きしている駄目人間である。

 後々のことを考えると、地味に辛い。

 その思考を読まれたのかどうか、由峻が口を開いた。


「落ちるところまで落ちた方が、人目を気にする必要もなくなって気持ちいいはずです」

「もしかして、その台詞が言いたかっただけですか」


 鼻白むヒフミを横目に、由峻はクレープを引っ込めると、自身の口元に近づけかぶりついた。

 クレープ生地が歯形の形に切り取られ、白いクリームと茶褐色のチョコ、いくつかの果実の彩りが断面から覗く。

 もくもくと咀嚼する様子を眺めるのを気が引けて、適当な話題を振る。


「この街には慣れたました?」


 ハンカチで口元を拭き終えた由峻が、こちらを向いた。一点の曇りもない微笑だった。


「はい。皆さん、よくしてくれていますから。いくつか、お誘いも来ています」

「賢角人のコネは使えるだけ使ってくれて構いませんよ。不味いときはこっちの方でチェックします」


 彼女の種族、賢角人は文明崩壊からの復興に沸き立つ社会で高い地位にある。

 陰謀屋の集まりと呼ぶに相応しいコミュニティだ。

 情報と経済を牛耳るだけあって、強力なパトロンにもなり得る。

 勿論、無償の好意で誘いをかけるほど甘い連中ではないが、上手く使えば、導由峻という亜人にとって、この上ない後ろ盾になるだろう。

 今まで厄介ごとに振り回されてきた由峻だからこそ、幸せになってもらいたかった。


「塚原さん」


 人でなしには似合わない思考だった。

 どうして彼女が自分にとって特別なのか、ヒフミもわかりかねているのに感傷はやまない。

 冬場になってきたせいか、近頃の自分はナイーブだなと苦笑しかけ、はたと視界の違和感に気付く。

 由峻の顔が目の前にあった。完全な不意打ちだった。


「……うん?」

「何か、悩み事があるのですか」


 吐息の湿り気すら感じられる距離だった。

 まったく、注意散漫な護衛もいたものだ。

 そんな胸中の悪態も霧散するような、白皙の美しさが身に染みた。

 透き通った琥珀色の瞳は、ヒフミの顔だけを瞳に映している。

 青年を案じているのがいやでも伝わってくる。

 どうやらヒフミは、由峻と関わると調子が狂うらしい。


「いえ、ちょっと青年期のモラトリアムをこじらせてまして」

「ふざけないでください」


 軽口には誠意がなかった。

 少し怒ったように眉根をしかめ、由峻が顔を離した。

 動物として不自然なまでに近い距離感から解放され、何故か、ヒフミは残念な気持ちになっている。

 その居たたまれない心境を取り繕うように口を開いた。


「どうってことはありませんよ。たまに、昔のことを思い出したりするだけです。誰でもあるじゃないですか、ノスタルジーって奴です」


 軽薄な言葉を喋るたび、不思議と元気になれるような気がした。

 上辺だけ真似ているつもりだった先生に内面まで似てきたのかもしれない。


「それで誤魔化せると思っているのですか?」


 ひどく静かな声音の問いかけが、かえって堪えた。

 由峻の琥珀色の瞳は半ばまで閉じられ、じっとりと重たい視線を送ってくる。

 まるで不出来な一発芸を眺めるかのような、呆れ混じりの半眼。


「誤魔化されてくれませんか」

「そうですね……わたしも不躾すぎました」


 思ったよりすんなり引いてもらえたが、意図通りなのに気まずい。

 ヒフミはポーカーフェイスで平静を装うと、密かに溜息を吐いた。

 ほとんど処世術のごとく身についた演技である。

 今日の自分はどうかしている。


 そこで肩を落とす男をどう思ったのか、由峻はいきなりヒフミの二の腕を掴んだ。

 白魚のような指が、筋肉質で分厚い肉をがっしり掴んでいる。

 見た目に似合わない膂力だった。

 いつもにもなく強引である。


「そうやって、気苦労の多そうな表情も出来るのですね。いつもの顔より、はしたなくて好ましいかもしれません」


 まったくもって理解しがたい一方、この娘、導由峻らしいはげましに頬がほころぶ。

 ずんずん歩き出す少女に先導されて、如何にも情けない様子で歩調を合わせた。


「塚原さんは何か、武道をたしなんでいるのですか。以前、それで助けてもらいました」

「ああ、剣術ですか。十代の頃、一日ほど習いましてね。おかげで役に立ってます」


 さりげなく、おかしな発言だった。


「……一日で身につくものなのですか?」

「僕はそういう生き物ですから」


 人体掌握の異能を自己に適用した場合、それは人体を介した技術体系への即座の適応を意味する。

 ましてや超常種の生態、遡航再生そこうさいせいの働きも大きい。

 神経組織、骨格、筋肉の配置から認識に至るまで、理想的な形態へと自己を調整し、規格外の習得速度を得ることが可能なのだ。


 異様さに面食らったのか、少女がしばし黙り込む。

 ヒフミは黙々と歩を進めながら、優しく諭すように声をかけた。


「君の気持ちは嬉しいけど、僕は一から十までそういう生き物です。無理をすることはない。僕たちは違いすぎるから、色んな感情を抱いて当然なんですよ」


 塚原ヒフミの情動の欠陥は、その異能と大きく関わりがある。

 青年にとって自他の区別はひどく曖昧あいまいだ。

 その弊害へいがいを友人である馳馬に言わせれば「人間付き合いが下手」ということになる。

 もっと正確に分析するなら、人間を演じるのが下手なのだ。

 手足を動かすように他者を支配し、肉体を知覚できる生き物にとっての当たり前はひどく歪だ。

 後天的に作り上げた人間性だけで誤魔化しきれるものではない。


「だから嫌いになれというのですか」


 はっきりとした、意志の強い問いかけ。

 由峻は一度も振り向かず、アーケードの出口を目指して、人混みを避けるように前進し続ける。


「そう思われても仕方ないさ」


 今この瞬間、眼前の女の子を好ましく思う気持ちさえ、塚原ヒフミの判断基準には影響しない。

 必要なら、どこまでも冷酷に親しい人を排除できる。

 人間の群れを守る仕組みが、本能に刷り込まれているからだ。

 人を好きになることはできても、報われたいとは思わなかった。


 車道に面したアーケードの出口で少女が足を止め、ヒフミの方へ振り返る。

 さらさらした黒い長髪が揺れて、ふわりと若々しい薫香くんこうがただよう。


「わたしは、あなたのことがもっと知りたい。その上で、好きになるのも嫌いになるのも、わたしの自由です。もしかしたら、あなたの言う通りなのかもしれません。ですが、わたしはまだ、何も見放していません」


 ある種の決意を感じさせる、見惚れるような表情だった。

 こちらが呑まれてしまいそうな、誇り高さが愛おしかった。

 無言のまま互いに一歩、前へ踏み出す。

 ひゅうひゅうと吹く風は冷たかったが、そんなことはどうでもよくなる景色だ。

 曇天どんてんの空を背景に、白雪がちらちらと舞っていた。

 時折、雲の薄いところから日が差し込み、雪の粒を銀色に輝かせていた。

 人工物である高層ビルの街並みや、遠方の山々へ、銀世界がまとわりついていく。

 不思議だった。

 こうなると、雲間を貫く〈異形体〉――強大な絶対者も、叙情的な風景を盛り上げる舞台装置に見えてくる。



「綺麗ですね」



 それはきっと、隣に彼女がいるからだ。



「――そうだね。僕はこんな、当たり前を守りたいんです」



 無垢な好意をぶつけられようと、二人の関係には矛盾が多すぎた。

 それでもヒフミは、眼前の娘に人並みの幸せを手に入れて欲しかった。

 その未来を摘み取る断頭台ギロチンが、自分自身なのかもしれないと察しながら、そうならない未来をこいねがう。


「塚原さんに期待してはいけないのかもしれませんが……もっと他に言うことはないのですか」


 由峻はわずかに唇を尖らせ、ズレている青年をにらんだ。

 数センチ分、彼女より身長が高いヒフミを不満げに見上げている。

 マウンテンハットに積もった雪を片手で払ってやると、いつもより恐ろしげな微笑みを浮かべる亜人娘。

 肩をすくめ、塚原ヒフミは素知らぬ顔で歩き出した。






 あえて外したことは、悟られていない。



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