15. いっといず(うにまる様)

レビュー作品「いっといず:https://kakuyomu.jp/works/1177354054897701983


キャラ

なかなかキャクターが話さないので、どちらかというと参考書に近い作品なのかな? って思ってましたが、そうではないです。冗長にならないキャラクターの会話。秀逸です。

ただ、1bit(話)あたりを短めに書くことを意識しているのか、面白い部分にたどり着く前に次のbit(話)に進む羽目になります。この点が勿体ないなと感じました。


文章

誤字脱字がありません。私がいうのも偉そうで嫌なのですが、完璧です。これについては完成されているので、その素晴らしい文章力で活動の幅を広げれていくものと思います。


けれど、3bitに2箇所気になった箇所があります。『その前には教壇らしき台がある。その台の近くに椅子が二脚置いてあった。』という部分の文章です。読んでて引っ掛かりを感じました。

原因としては、”その”が続くことで、文章のリズム感を損なってしまっていると感じるのです。これは私の勝手な意見なので、スルーしていただいても構いません。


提案なのですが、一文にして、『その前には教壇らしき台があり、椅子が二脚置いてあった。』にしてみてはいかがでしょうか? スマートに見えませんか?


それと、その次の文章です。『そして、一列に並べられた机のうち、3つにはすでに人が座っていた。』

前文の『その前には教壇らしき台がある。その台の近くに椅子が二脚置いてあった。』と接続していません。”そして”を接続させるために、L4の『中央付近に机と椅子が横一列に四つ並べられている。』を『そして、一列に並べられた机のうち、3つにはすでに人が座っていた。』の後に移動させてみてはどうでしょうか?


ゴチャゴチャになってしまったので、2点をまとめてみます。

『その前に教壇らしき台があり、椅子が二脚置いてあった。中央付近には机と椅子が横一列に四つ並べられている。そして、一列に並べられた机のうち、3つにはすでに人が座っていた。』

どうでしょう? 少し文章にリズムがありませんか? 繰り返しになりますが、これは一意見なので、スルーしていただいて構いません。


世界観

1話目の駄菓子屋でキャッシュレス決済化しているのは面白いと思いました。けれど、触れるところではないかもしれませんが、駄菓子屋のターゲット層は一体どこなのか疑問に思ってしまいました。面倒な話になってしまいますが、キャッシュレスが普及しない原因の一つとして、店側の手数料にあります。販売単価の安い駄菓子屋でキャッシュレスを実施する必要性について考えてしまいました。経費で税金対策ですかね?

しかし、私がここまで書いたことは不毛です。

なぜなら、世界観を理解させることが目的だったのだと思いますので、ターゲティングなどの現実性のあるものを突きつけても仕方がないからです。子どもでさえも”くじらPay”を使うような世界観ということです。

ただ、スマートフォンなどといった現実でも身近な製品が登場しますので、少し戸惑ってしまうこともあるかもしれません。

もっというなら、現実とは切り離された世界線であることを強調することが必要かと思いますが、そもそも現実から切り離された世界線を示した意味はなんなのでしょうか? 今後の展開で重要だったりしたら申し訳ないです。もしくは、別の世界線ではなく、ITの浸透について伝える文章であったのなら、別の例えの方が良いような気がします。


総評

とにかく読みやすいです。しかし、疑問を感じる箇所もありました。これについては私の理解力にも問題がありますので”くじらPay”のくだりを含めてあまり気にしないでください。

状況描写が本当に秀逸に感じます。読んでいて勉強になりました。

心の声が好きです。主人公が何を考え、どう行動したいのかその指針を理解できた気がします。さらに、bitで各話を表現しているのが粋でいいです。私もこんな粋なことをしてみたいと憧れを抱きました。

本日は、素晴らしい作品をご応募いただきありがとうございました。


あ、これは余談ですが、私もIT分野については興味を持っています。特に”スコアリング”とか。日本でも企業であるyahoo!がアカウントにスコアリングをオプトアウト式で導入して話題になりましたよね。監視社会になるという懸念がありますが、逆に信用度が分かるので便利な世界になると喜ぶ人もいます。

このような人の考え方を知れるのもIT分野の面白いところだと思っています。

深いテーマでした。

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