想い人



いつの日からか、

望まない歯車に絡め取られた。



日夜続く、単純なルーチンワーク。



憂鬱の色を帯びた日々に、彩りを添えるのは、

若い頃から苦楽を共にしてきた、お前の姿。



はにかんだ笑顔に、

長い睫毛をたたえた、

大切な想い人。



想い人よ。

遠い日々も学業の傍ら、

毎日お前の姿を求めていた。



出会った頃から、

変わらないお前。

今でもまだ、うぶな娘のように、

些細なことがさも可笑しげに、ころころ笑う。



想い人よ。

お前の顔を一目見て、

その眼差しに触れたなら、

毎日の労苦が報われる思いがする。



お前と永遠を歩みたい。

切なるその望みは、

お前を強く抱きしめれば、

否が応にも高まっていく。



想い人よ。

私がお前を想う時、

お前は何を考えているのだろう。



願わくば、お前にも、

私のことを考えていてほしいと願うのだ。



今となっては、

お前だけが切なる望み。

挫折ばかりの青春が私に残した、

大輪の薔薇。



想い人よ。

私の望みは、もはやお前だけで十分だと、



今も昔も変わらない、

お前の笑顔が私に向けられる度、

そう感じて止まないのだ。



(2020年6月8日 作詩)

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