一の重
「数の子はね、
「…今年も子作りすると捉えるぞ。」
「一月中は控えようね?」
「チッ。」
数の子は、ニシンの腹子である。
卵の数が多いことから。
「田作りは、
「そうか。」
「あれ、反応がいきなり薄い…。」
片口イワシの稚魚を干し、飴炊きにしたものである。
片口イワシを豊作物の肥料とし使用した田畑が豊作になったことから。
五万米、の字を当て、ごまめ、とも呼ばれることもある。
「黒豆は邪気払いの意味もあるけど、勤勉に働けるようにってのもあるんだよ?」
「邪気…。」
「ちなみにこちとらは黒豆はあんま好きじゃない。」
「勤勉に働く邪気、か。」
「ちょっと?影を邪気にしないで!?」
黒く日焼けするほどマメに、勤勉に働けるとうにという願いが込められる。
「たたきごぼうは、家の基礎が
「食ってた。」
「知ってる。」
地中深くに根が入っていく
「紅白かまぼこは、知ってるよね。」
「赤は魔除け、白は清浄、だったか?」
「正解!」
ニッと笑って首を傾げながらまた。
「んじゃ、
「知らん。」
「知識が増えるよーに、だよ。」
形が巻物に似ているため。
「昆布巻きはー?」
「よろこぶ。」
「よろこんぶ…言って欲しかったなぁ。」
「ワシが言うと思うな。」
こぶ、は、よろこぶ、に通ずるとして、縁起が良いとされる。
「栗きんとんは、豊かな一年を願うんだよ。ほら、食べて。」
「ワシは嫌いだ。」
「こーら!
豊かさと勝負運を願う。
黄金色に輝く財宝とたとえ、豊かな一年を願うもの。
「ちょろぎ、あんま好きじゃないなぁ。」
「長寿だろ、食え。」
「いや、食べるけど…。」
長老喜、千世呂木、と書く。
長寿を願う。
「錦玉子は?」
「なんだったっけね。」
「おい。」
黄身と白身の二色が金、銀にたとえられる。
「一の重終了!って、あんたらよく食べるね!?こちとらほぼ食べてない!」
「旨いからな。」
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