ゴミ箱

年月は遺伝を色濃くする

今日もイライラして物に当たる

物が壊れないように加減する意識も瞬時に自動調整できるほどに慣れてしまった

声は語彙力のなさが露見する「クソ」「この野郎」だとかの一言

そういえばあの人はイライラするたびに物を壊していたな

そういえばあの人はイライラするたびに声を荒げていたな

あああの人の血が流れているんだなと実感する

とはいえ私が生まれたという事は、生殖には成功していることになる

生物としては役目を果たしたのだと思う

当然ながら私にも生殖機能はまだ存在する

とはいえ私はあの人よりも体も心も強くなく、金も稼げない

生物としての価値は少なくとも下だと思う

当然ながら私には生殖機会は訪れないだろう

なぜだか私には物にしか当たれず、人を殴る度胸すらない

おかげでここまで捕まったことはない綺麗なまま

今日もイライラして物に当たる