「バカか、だからこそすぐに販売中止にするんだよ。

　もうこれは店からしたら売れないただのゴミ。

　それどころか売ろうとしたら外野が不謹慎だと叩きやがる有害物だ。

　でもなぜかそのゴミを欲しがるやつが少なからずいるもんなんだ。

　だが正規ルートではもう売れない。それならどうするか。

　お前も使ったことくらいあるだろう。

　顔の見えない個人販売サイトだかアプリだか。

　それを使うんだよ。

　これは例え話なんだがな、これからこのゴミを廃棄する途中にさ。

　急に強盗が俺を脅して、数千円の財布の中身とゴミ全部を盗まれたとするだろ？

　一応俺は被害届は出すが、顔も名前も知らない。被害は数千円とゴミ。

　警察も真剣に犯人探しはすまい。俺も別に構わない。

　何日かしてそのサイトやアプリを開いてみるとな。

　盗まれたゴミにそっくりなゴミがわんさか出品されてるんだ。

　僕はもうこのゴミはいりませんってはっきりコメント書いてるくせに。

　なぜか販売価格は定価の2倍3倍で売ってるんだよ。

　んでその欲しがる奴が買うか欲しがる奴のために買う奴が出てくる。

　気が付けば全部盗まれたゴミが定価で売れたときよりも金が動く。

　俺の友人がみんなギャンブルが当たったなんて何か適当な理由つけて。

　飲み代をおごってくれたり、あるいは帰りの交通費なんてももらえる。

　この話を聞いてお前、誰かが嫌な気持ちをしたか？

　俺か？お前か？強盗か？顔の見えない販売者か？

　なんだ？ゴミを定価で買えなかった奴って言いたいのか？

　バカか、販売中止で買えなかったものが手に入ったんだぞ。

　むしろ感謝してるはずさやつらは。

　お前もこれから廃棄に行くか？

　財布には何枚か適当に札を入れておけよ。

」

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