転生したけど記憶がないようです

haruhi8128

プロローグ

プロローグ

俺はユウト。ごく普通の家庭に生まれた現在9歳の男の子だ。

なぜこのようなことを唐突に言っているのかというと、自分のスキルの意味が分かったからだ。

この世にはそれぞれに固有のスキルというものがあり、王様だろうが泥棒だろうがなにかしら持っている。そのバリエーションはかなり多く、火や水を操るような多くの人に見られるものや職業ジョブを割り振られるようなこともある。


ここで俺のスキルを発表しよう。

ずばり《転生》だ。まあスキル名から察するに俺は前に死んで、今生まれ変わっているということになるのだが、前世の記憶は欠けている部分がある。

というのも俺には生まれた当初から言語や一般常識の知識があった。つまり前世で得たものは持っていたということだ。だが、このスキルには大きな欠点がある。それは

《転生》なんてかなり都合のいいスキルにそううまく人生いきさせてやらねーよということだろう。


《転生》はおそらく1代目の俺のスキルだったのだろう。《転生》には1つ注意点があり、それは2代目以降の俺は自分の好きなスキルを選べるということらしいのだ。

そして俺にはいま10個のスキルがあるが、俺はまだスキルを選んでいない。つまり俺は11代目の俺ということらしい。ややこしいなこれ。


《転生》《勇者》《賢者》《盗賊シーフ》《大賢者》

《魔王》《召喚術者》《狩人》《聖騎士》《農夫》

これが俺のスキルだ。恐らく前に書いてあるものから前の俺が選んだ順なのだろうが、賢者のあとの盗賊や、大賢者のあとの魔王などはさぞかしみなさまにご迷惑をおかけしたのだろう。俺代表としてお詫び申し上げたい。農夫はどうして選んだのか謎だが、あれだけの職業を経たあとならかなり有能な人であっただろう。


これらのスキルは教会で信託を聞くことによりわかるのだが、通常スキルは1人1つなので俺はどうみても異常だ。ときどき“未確定”の人もいるようなので今はそれでごまかしているのだが、来週に控えている10歳の誕生日にもう一度教会で信託を聞き、スキルを得ることになっている。それまでには決断しておかなければならないのだが、なかなか決められないでいる。


これはそんなときに俺に訪れた転機によって、俺が1つの国家を築きあげる物語……。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る