第16話 絶対感染したくない! 風疹とインフルエンザにトキソプラズマ

 気づけばもう3月、も、もう終わり。このままではこのエッセイで出産について書くより先に子が1歳を迎えてしまいそうですははははは。離乳食が3回になり、ずっと献立を考えて1日が終わっているような気がする今日この頃です。夕飯作り→ご飯→お風呂→授乳→寝かすの辺りに、1日のうちで1番の盛り上がりを感じています。歌のサビみたいな。よくわからん。子もそのあたりの時間によく泣くことが多く、盛り上がってるな、と思う余裕もなくひーひーです。




 妊娠中気をつけていたのが風疹、インフルエンザなどの感染症に罹らないことでした。


 病院で妊娠したことがわかると、最初の妊婦健診で風疹の検査がありました。妊娠初期に風疹に罹るとお腹の胎児に感染し、赤ちゃんが障がいをもって産まれる可能性が高くなります。妊婦さんが感染を防ぐためには、妊娠する前にワクチンを接種して免疫を獲得しておくことが大切です。

 妊娠した頃ちょうど風疹が流行っていました。妊活の始めに婦人科の先生の勧めで風疹の抗体検査をしていて、免疫を持っているとわかってはいたものの、怖かったのを覚えています。赤ちゃんに影響がある病気なんて、絶対なりたくありません。妊娠初期はそもそも悪阻で動けませんでしたが、それ以降もとにかく人混みを避けて生活していました。


 もう一つはインフルエンザです。妊娠中は免疫力が落ちるため、罹ると重症化しやすいと言われています。インフルエンザは妊娠中でも予防接種を受けられます。私が通っていた病院ではインフルエンザの予防接種を実施しておらず、近所の内科か産婦人科で受けるようにと指導がありました。しかしこの予防接種をしてくれる病院探しに苦労しました。近所の内科では「産婦人科で接種した方がいいですよ」と勧められたものの、産婦人科では「当院を利用している妊婦さん以外のワクチンの用意がないんです」と言われて予防接種を受けられず。最後に、ダメ元で妊活中に通っていた婦人科に電話したところ、予防接種を受けさせてもらえることになり、12月の半ばに無事に予防接種を受けられました。

 インフルエンザは胎児に感染することはないものの、もし自分が罹って重症化してしまったら、少なからずお腹の子も苦しい思いをするだろうと考えていました。自分が栄養をとれなくなったら赤ちゃんも栄養をとれない、自分が重症化してお腹で赤ちゃんを育てられなくなったら早産になってしまうかもしれない。そうはなりたくないという思いで、やはり人混みを避けて生活していました。


 妊娠初期は風疹が怖くて、中期以降はインフルエンザの時期だったのもあって、妊娠中ほとんど人混みを避けてひっそり過ごしていたのでした。


 それと、トキソプラズマ。これは感染症ではなく、人畜共通で感染する寄生虫のようなもののようです。調べてみると感染すると胎児にも影響が出ることがあるらしいのです。動物の糞を処理する時や、生肉・生野菜を触った時、ガーデニングで土いじりをした時などに気をつけなければいけないようで、犬を飼っている身としてはこれも怖かったです。糞を片付けるときは必ず手ぶくろをし、散歩から帰ったとき、ブラッシングなどで犬を触ったあとは必ず手洗いをしていました。また料理をするときに生肉・生野菜を触ったらとにかく手洗い。もうひたすら手洗い……。

 そんなことをしているともう生野菜食べるのもなんか気が引ける……ということでなんでもかんでも火を通して食べてました。

 今我慢しないで、後で後悔したくない! という気持ちが強くて、なんやかんやで生野菜を食べないことにも慣れてそこまでストレスでもなかったです。あ、なぜかプチトマトだけは生でもよしということにしてました。理由は謎です。


 妊娠する前は、風疹もインフルエンザも全く気にしたことがありませんでした。インフルエンザに罹ったことも過去1回か2回? 1番最近でも10年前に罹ったきり、風邪もそんなに引くこともなかったので、自分は罹ることはないだろうって、毎年楽観的に考えていました。妊娠して初めてインフルエンザが怖いと思いました。そして風疹。胎児に影響があることを、妊活の時に知りました。


 自分が感染するかどうかより、自分が原因で子供に感染させてしまったらと思うと、こんなに怖いことはありません。



 今、世界中に新型コロナウイルスが蔓延しています。連日感染者の情報がニュースで伝えられ、感染者は日に日に増えています。そして先週の終わりには首都圏の各知事から外出自粛要請が出されました。日本政府も緊急事態宣言を出す瀬戸際だと言っています。

 できることは少ないかも知れません。必要のない外出は自粛する、人混みや密室を避ける、うがい手洗いをする……。


 周りに感染者がいないから実感がわかない。自分だけは大丈夫。そう思っている人もいるでしょう。

 それでも、もう一度考えて欲しい。自分が原因で他の人に感染させてしまう可能性を。

 友達と遊ぶ約束を延期にする事、感染が拡大している地域に行かない事で、友達のおじいちゃんおばあちゃんを守れるかもしれない。マスクや除菌グッズを買い占めなければ、必要としている他の人にも行き渡って少しでも感染の広がりを防げるかもしれない。手洗いうがいを徹底することで、自分や家族、大切な人が死なずに済むかもしれない。

 一人一人の行動が、きっと誰かの命を救うのだと、そう信じたいです。


 これから日本がどうなるかわかりませんし、今自分にできることは取るに足らない些細な事です。それでも、きっとまた平和な日常が戻ってくることを願って日々乗り切るしかないと、今そんな気持ちです。

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