第55話  作品の舞台

僕の場合、イラストを描くときには、先に題名をつける。

そこからイメージを膨らませて、キャラクターを作る。

でも、上手くいかない場合もあり、その時は没にする。


まあ、再利用する時もあるが・・・


題は決めた。

「青い空」

テーマは、ありがちな、友情と勝利。

これで、努力があれば、どこかの雑誌だが、それはないようだ。


「スポーツものかなやはり・・・」

「雅志さん」

「どうしたの?リン」

「まずは、雅志さんの、描きたいように描いて下さい」

「ストーリーとかは、全くないの?」

「はい。現時点では、プロットもありません」

「そうなんだ・・・」


自由度は高い分、その分責任も大きい。

多少は、指示されたほうが、楽だ・・・

いや、手を抜きたいんじゃなく・・・


「雅志さん」

「はい」

「確かに、無からは考えにくいですね」

「ええ」

「じゃあ、内密だったんですが、作品の時代だけ教えておきます」

「助かります」

それだけでも、かなり違う。


「60年代の、アメリカです」

リンはそれだけ言うと、持ち場に戻った。


となると、西部劇か・・・

60年代のアメリカだと、それがやりやすい・・・


いや、とらわれないでおこう。


まずは、60年代のアメリカについて、調べてみる事にした。


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