第46話 現代においては

僕の住む現代のおいては、パスポートが無いと海外旅行は出来ない。

今、妹として暮らしている、緑かすみは、本来は存在しない幽霊以下の存在。


前回、フランスに行く際に、かすみが同行出来なかったのはそのためだが・・・


「かすみ」

「どうしたの?お兄ちゃん」

かすみが、不思議そうな顔で覗きこんでくる。


「社長が明日、一緒に来てくれって」

「社長さんが?」

「うん」

「お兄ちゃんは、どうしてほしい?」

私がついていくのは?という意味だろう。

他に取れない・・・


「頼む」

「即答だね。OKだよ」

「ありがと」


その後は、いつもどおりの半日を過ごした。


     ≪こちら、かすみ、父、緑豊とコンタクトを取ります≫

     ≪かすみ、どうした?≫

     ≪例の物、お願いします。お父さん≫

     ≪おお、進んだか、思ったよりも早かったな≫

     ≪いえ、お兄ちゃんが、がんばったからです≫

     ≪いや、かすみもがんばったぞ≫

     ≪いえ、私は・・・≫

     ≪わかった。早急にしておこう≫

     ≪ありがとう、お父さん≫


朝、起きるといつもと朝食が違っていた。

いつもなら、洋食だが、今日は和食だった。


「お早うかすみ、何かあったの?」

「ううん、何でもないよ。食べよお兄ちゃん」

「いん、いただきます」

「いただきます」


今日は、かすみとふたりで出社する。

かすみは、僕に気を使ってるのか、とてもおしゃれだ。


僕も、スーツに身を通す。

ちなみに、普段はラフに近い・・・


「お兄ちゃんの会社、初めてだね」

「そういえばそうだな・・・」


かすみと歩く道のりは、何だか新鮮だ。

周りの目が、突き刺さるが・・・


そんなに珍しいか?


そして、会社につくと、すぐに社長室に呼ばれる。

かすみと一緒に入る社長室は、とても緊張した。


「よく来てくれたね。かすみちゃん」

「はい。兄がお世話になってます」

ちょっと待て、何で知っている?


まさか、未来の力か?

いや、それならもっと早くに、告白してくれているだろう。


そして、社長から衝撃の命が、下される。

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