Happy future

勝利だギューちゃん

第1話 出会い

「君は雅志(まさし)くんだね、佐藤雅志くん」

知らない女の子に声をかけられた。


アニメの世界からそのまま出てきたような・・・

そんな服装をきていた。

でも、一応は制服のようだ。


髪はかかとまであるロングヘアーだが、さすがに彼女も長いと自覚があるのか・・・

ポニーテールにしていた。

それでも長い。


髪の色は黒髪だが、何故だが不思議が空気が漂っていた。


「そうだけど、君は?」

「ずっと、君を探してたんだよ」

少女は笑う。


でも、僕はこの子を知らない。

逆になぜ、この子は僕を知っている。


待てよ、同姓同名のそっくりさんということもありうる。

人違いの可能性も高いのだ。

よくある名前だしな。

なので、僕は少女に訊いてみた。


「あのう。どこかでお会いしたことありましたか?」

「ううん。初めてだよ」

少女は笑う。

「もしかして、人違いなんじゃ」

「違ってないよ。君は佐藤雅志くんで、間違いないでしょ?」

「そうだけど・・・」

「なんなら、もう少し絞ろうか?」

そう願いたい。

そうすれば、人違いという事がはっきりとするだろう。


「佐藤雅志くん

20××年、5月26日生まれ。

双子座のO型。

身長167センチで、体重は50キロの、かなりのスレンダー。

もう少し太ろうね。」

「余計な御世話だ。でも、当たってる」


「もう少し絞るね。

5高の3年1組。帰宅部。

将来の夢は、イラストレーター。

得意科目は、社会と国語。

苦手科目は、英語と体育。

好きな食べ物は、鶏のからあげ。

嫌いな食べ物は、辛いもの。

好きな飲み物は、紅茶。

嫌いな飲み物は、炭酸、ココア、コーヒー・・・」

「わかった。もういい」

全部当たっている。

どうやら、少女が探している佐藤雅志は、僕で間違いないようだ。


「で、君は僕に何の用?」

「さっきも、言ったけど君を探してたんだ」

僕は大切なことを、訊くのを忘れたた。

少女の名前だ。

それを知らないと話が進まない。


「ところで、君の名は」

少女はあわてふためいていた。

少し天然のようだ。


「ごめん。名乗るのが礼儀だね。

私の名前は、緑かすみ。18歳、君とタメ年」

「他には?」

「ごめんね。今は言えない」

名前は聞いた。

これで話しやすくなった。


「で、かすみさんとやら、僕になんの用?」

「かすみでいいよ。実はね・・・」

「うん」


「私と未来へ、行ってください」

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