第21話

 上を探索するべく階段を上る、古くなり今に壊れるのではと思わせるほどの音を響かせる。二階まで来て見れば、目の前に扉が一つ、横そして後ろを振り返った所にも一つといった感じの間取りだった


 まずは横につけられた扉から調べてみる、が、結果だけ話せば何もなかったというほかない。どんな部屋かと話せば、子供部屋である、小ぢんまりとしたベッドが置かれてるだけで、他は何もなかった。


 クローゼットや箪笥を見ても空なのだ、廃屋にはいくつか衣装が見受けられたのにこちらは空っぽ何か可笑しいと思うが今は考える暇はない。次はその横にあった部屋を調べる、開けてみれば次は多少広い部屋へと出る、二人が横になれそうなベッドがあることから、夫婦の寝室だろうか?


 奥さんが使っていたであろう、ドレッサーと衣装箪笥が見受けられる、調べてみるも衣装箪笥の中には今度は衣装が数点見受けられたがドレッサーにも何もなかった。


 数点見受けられた衣装の大半は男物のスーツや私服と思える物、女性ものは入っていなかったのだ、子供と女性ものの服がない、か。ここの偉丈夫は奥さんと子供に逃げられたとか? でも、絵画を見る限り、裕福そうだし、甲斐性が無さそうな男には見えなかったが。


 もっと探索を勧めれば、何か見つかるかもしれない、と言っても、残されてるのは一番最奥の部屋だけだ、そこに全ての秘密があればいいが。最後の奥の部屋を開く、そこには一階の物置よりも更に本が棚に並べられていた、こちらはあの偉丈夫の書斎といった所か。こちらには明り取りの窓があるが、ツタのせいで今はその性能を発揮できてはいなかった、机などもある、本の方を先に調べよう。


 片っ端からインベントリに入れていく、結果は魔導書は一冊も無かったが、解読が必要な学術書というものが手に入った。なんでも知性の成長補正を持つスキルをランダムで習得できるとの事、もしくは知性を成長させるスキルがアップするみたいだ。


 偉丈夫は魔法使いでもあり、何らかの学者と言うわけだったのだろう、数は3つ、一気にスキルが獲得できそうだ。続けて机を調べてみる、机の上には灯り用だろう燭台が置かれているくらいだ。机には引き出しも見受けられたが、開けられない鍵がついている、机の下も調べてみると、箱があったがこちらも鍵。


 ここは日夜筋肉スキル、瞑想スキルに続き鍛えに鍛え続けてきた開錠スキルの出番だろう、さっそく開けようとする。引き出しの方は簡単に開いたのだが、収納箱の方は一杉縄ではいかなかったので、一時放置、引き出しから出た物から調べるか。

 引き出しの中身はインクとペン、インクの方は固まって使えそうもない、そして数冊の本が出てきた、手記のようだ。タイトルは「Bill・Carter Diary」ビル・カーターの日記といった所だろう、ここで読んでしまうか?


 現在時刻は12時、日記を読んでいる間に夕方になることだろう、かなりの量があるのだった。実に5冊ほど、このビル・カーターという男は実にマメな男だとわかる量だ。まぁ、ここまで調べてきたが、結局はこんなものだろう、かなりの量のアイテムを手に入れてた。


 帰還魔法を使えば、戻るのは廃村の中に設営したキャンプである、時間は早朝から村を全て見て回り、屋敷を探索してるうちに昼になっていた。

 魔導書の前に、もしかしたらここの住人であった、ビルさんの日記には更にこの村の情報が手に入る可能性があるかもしれない、早速外に出てキャンプに戻り日記を読むのであった。

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