第2話 転生

光が満ちたりている空間に1人の男が立っていた。


「ここは……どこだ?」


 寿命を終えて死んだはずの幸信がぽつんと立っていた。


「おれは死んだはず。ここは天国なのか? 何もないじゃないか。」


「いいえ、ここは天国ではありません。」


 突然、どこからともなく声が聞こえた。回りを見渡しても誰もいなかった。

「だ、誰だ?」


 尋ねた途端、目の前に光が集まり始め女性の形を取った何かが現れた。


「ご挨拶申し遅れました。私はこの世界……地球を作った神と言えばわかりますか。」

 突然神を名乗った女性が言った。


「え? か、神だと 本当に神なんて居たのか。しかも美少女。」


「はい、神は居ますよ。」

 と美少女の神は微笑んだ。


「で、その神様が何のようなんですか?」


「あなたは地球での人生は楽しかったですか?」


「……う~ん、人生を半分に分けたとしたら、前半の人生はいろいろと辛かった。楽しかったこともあるが辛い方が多かったな。辛すぎて自殺も考えたが、その途中で最愛の人と出会いその人が支えてくれたお陰で立ち直りそのあとの人生は楽しかったな。」

 人生を思い出しながら語った。


「そうですか。楽しい人生はいちおう送れたのですね。もしよければ、楽しい人生また送りたいですか?」

 神はずっと微笑みながら語った。


「え、第二の人生ってことですか?転生ってことですか?送れるのなら送りたいですよ。でも最愛の人がいない人生は要らない。」


「心配は入りません。実はですね、昨日といえばいいのかあなたの最愛の人、麻由莉さんもここを訪れたんですよ。」


「えぇ~、来てたんですか。」

 凄く驚いた。


「彼女もあなたを必要とされていましたよ。彼女は一足先に私が別の空間に作り出した世界に転生しましたよ。」


「俺を待っているんだな。」


「はい。では転生を開始しますね。何か質問があるなら答えられる範囲内で答えますよ。」


 神は転生するための準備を始めながら語った。


「では質問します。その世界はどういった世界なのですか?」


「はい。その世界は一度文明が滅んだあと新たな文明が開化した世界です。魔法が存在します。新たな文明を地球の文明で例えるなら中世時代後半といえばわかりますかね。種族は人族、魔族がおります。争いが絶えないですね。本当はやめてほしいのですけどね。それと前文明の遺跡がちらほらあります前文明はあなたが好きな超古代文明的な感じですね。それぐらいですかね。」


 物凄く楽しそうな世界だとわかって、テンションが上がる。


「超古代文明か、すごい気になるな~。魔法も存在するのか楽しみだな。色々教えてくれてありがとうごさいます。」


「準備が整いました、そろそろ転生開始しますよ。あ、そうそう最後に1つ言うことがあります。」


「何ですか?」

 と疑問を浮かべた表情をする。


「あなたにはある能力を与えます。創造魔法です。幸信さんと麻由莉さん貴方達二人にしか使えない特別な魔法です。使い方は頭で想像してその物の特性、名前をつけて呼べば創造できますなんでもです。」


「そんな魔法もらっていいんですか!」

 勢いよく飛び跳ねて喜ぶ。


「なんか色々とありがとうごさいます。いま初めて神様が居てよかったなと思いました。」


「喜んでくれてありがとうごさいます。人々が喜んでいたり楽しんでいたりする姿を見るのが好きなのです。では転生開始します。頑張って楽しんできてくださいね。」


 神様は微笑みながら手を振ってくれた。


 自分もそれに答え、元気よく手を振った。

「はい、行ってきます。」


 そうして徐々に視界が暗くなっていった。

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