美南子 A
DDT
第1話
結婚に失敗したことがある。
保護者がくるくる変わる複雑な家庭に育ったため、美南子にとって結婚は不安定な家を出るための手段でもあった。
相手は隣の国の、小柄な男。
出会った当初は身なりが良く羽振りも良く、ずいぶん頼りがいのある大人と見えた。
知るほどに少し神経質なところがあらわれ、コンプレックスの裏返しか、過剰に尊大なところも垣間見えた。
あの頃は人権もプライドもなくて当然という時代であり、何より幼く若かったので、現状に特に疑問は抱かなかった。
二人の結婚は家族親類すべてに祝福されたとは言い難いが、ともかくも結婚生活は始まり、美南子にとってはそれなりに楽しかった。
今でも覚えているのは、料理のこと。
彼の国の人たちから教えてもらった料理を作るのはやりがいがあった。
お互いの国の料理をアレンジして、たくさんのメニューが生まれた。
美南子 A DDT @D_D_T
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