現実(2)

一週間がたった。おれはようやく病院の生活になれてきたところだ。この病院は、設備がなかなかよく、テレビがあった。おれは、いつものようにテレビをつけた。すると、ある奇妙な情報が耳に飛び込んできた。それはおれが強盗に襲われた事件だった。自分のことがニュースに取り上げられていることに、新しい感覚を覚えた。そのニュースは、おれが襲われたことや、犯人が証言したことなどを報道していた。だが、おれが奇妙だと思ったのは次だ。おれの両足を切断したことを犯人は否定していることだ。おれはなぜだろうと思った。犯人は、容疑を認めているにもかかわらず、その質問には、断固否定しているらしい。なぜだろう。テレビが切れた。どうやら朝食の時間だ。

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