童話「猿の尻笑い」

@SyakujiiOusin

第1話

               猿の尻笑い


 お山のサルが、他の猿のお尻が赤いと言って、馬鹿にして笑いました。周りにいたお猿さんたちも、それにつられて、お互いのお尻を指さして、赤い赤いといって笑いころげました。

 自分のお尻だって赤いのだけれど、自分のお尻は見られないので、自分だって同じなのだと気が付かないのです。

 このことから、「猿の尻笑い」という言葉ができました。

「自分のことを棚にあげて」という言い方をすることもあります。


 同じようなものに、「目くそ鼻くそを笑う」とか「50歩100歩」というのがあります。これは、たいして違いがないのにという意味になります。

「人の振り見て我が振り直せ」ということであります。

 人に文句ばかり言っているうちは、自分のことがわからないのです。

 自分のことを自分がわかるというのは、とても難しいことですが、立派な大人になるためには、大事なことです。


 気を付けてみていると日本語には、同じことを言うのにもいろいろな表現があります。

 言葉を覚えていくには、似ているものを集めて勉強するとおもしろいのです。

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