〔短編完結〕免罪でパーティー追放〜さぁ…語りましょう〜

美々津 煠雨

第1話・追放


 「パドラ、今日でクビだ。パーティーから追放する出て行け!」

 

 いつも通りにギルドに足を運ぶと中欧でパーティーリーダーの勇者ダジルが高らかに大きな声で宣言した。

 

 「…は?」

 

 私は、周囲に耳を澄ませてみたら…

 

 “パーティーの女メンバーに手を出そうとした”

 

 “無能な使えない役立たずの魔導士”

 

 “足でまとい”

 

 “金の虫”

 

 等など、嘘っぱちの噂がごろごろと流れていた。

 

 「言わなくても分かるだろ?」

 

 メンバーは、勇者ダジルと治癒師サラ、騎士二ーギス、精霊術士ローナ。

 

 …へぇ〜、ペアでできてたのか。それで、私が邪魔だからと…ニコ

 

 私は、パドラ。魔導士の冒険者ランク三位で勇者パーティーのメンバーだった。まぁ、全ては“全”ギルマスの依頼でやっているもの。

 

 本来の私は、パンドラ・ザプリエット。太古の大賢者にして精霊を統べる精霊帝。冒険者ランクソロで一位の実力者。

 

 「分かりました。」

 

 私は、そのまま受付に行った。

 

 「パドラさんは、今回の件にて冒険者の資格を剥奪・永久追放されました。登録証の返還を要求します。」

 

 たかだかのパーティー追放で剥奪ねぇ?

 

 「ギルマスからの指示ですか?」

 

 「いえ、私たちギルド員の決定です。」

 

 なるほど、独断なのか。

 良く考えたようで…馬鹿だな。

 

 「部下の監督不行届ね(ボソッ)良いよ、はい、これとこれ。」

 

 私は、パドラとパンドラ用の“二つ”共、受付嬢に出した。

 

 「もう、契約は解除でいいね。」

 

 私は、本来の姿に戻った。

 

 「えッ?パ、パンドラ様!?!!」

 

 ざわ…ざわ…

 

 “あのパンドラか!?”

 

 “冒険者最強の!?”

 

 「これで私は冒険者じゃなくなった。じゃあね。」

 

 受付から離れると、影でニヤニヤしていた勇者達が驚きで固まっている。

 

 「あぁ、言い忘れていた。精霊術士ローナ、君の精霊契約破棄と精霊術士としての資格を剥奪する。」

 

 「なっ!?そんな事できる訳…」

 

 「パドラは出来ない。が、パンドラは精霊帝だ。最も権限を持っている。あと、私には性別は存在しない。では…」

 

 私が出る直前、ギルマスが帰ってきた。

 

 「何があった…パンドラ様。ま、まさか…」

 

 私を見て真っ青になっていた。だからこそ、私は…

 

 「ギルマス、契約解消だよ。さようなら(ボソッ)」

 

 そう言って、ギルドを去った。

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