52日目 威厳
「じゃあ、プリンセちゃん。お願いします」
「……ん」
そろそろ、レインちゃんの序列が上がるらしい……。
わたしも、欲しくないと言ったら、嘘になるけど……。
リブレさんに聞いたら、こんなのいらないって言われるんだろうなぁ。
「じゃあ、行ってきますね、リブレさん、プリンセちゃん」
「……うん、いってらっしゃい」
今日も、レインちゃんは王様に呼ばれているらしいです。
ので、わたしがリブレさんのお世話です。
「……体拭くよー」
下半身はレインちゃんに禁止されてるけど……。
ちょっとリブレさん、痩せたね……。
帰ってきてすぐよりは、線が細くなってる……。
ハンネさんが頑張ってるから、死ぬことはないんだろうけど……。
やっぱり心配……。
「で、決まったんですか?」
「そうじゃな。上がるのは確定的じゃろう」
今日も今日とて
まじでもうどうでもいいんですけど。
「こっちもルーリアとマレイユが上がりそうじゃからな。気が気でないんじゃよ」
「お后様もですか?」
リブレさんの話では、マレイユさんはその技能を使ったことがないから二つ名を持っていないのだろうという話でしたが。
二つ名がないところから一気に序列持ちは大出世ですね。
まぁ、私もそうでしたけど。
「そうなると、王様だけ持ってないことになりますね?」
「そうなんじゃよ……」
露骨に落ち込む王様。
あ、悪いこと言っちゃいましたかね。
王様としての威厳的な。
「マレイユにどんなことを言われるか……」
家庭内の話ですか!?
あ、でもそれはそうかもですね。
国民の皆さんには王様は今までの功績で評価されていますから、今さらそんなもので揺らがないでしょう。
しかし、あのお后様がそんなことを言うとは思えないのですが……。
「正確には、ルーリアにのせられて2人して言ってくる、じゃがな……」
リブレさんの言動に諦めを感じた時よりも哀愁が漂っています。
ルーリアさんはけっこうお茶目というか、いたずら好きというかなところありますし、ちょっとわかりますね。
キョロキョロ。
「ちなみに、キラさんはどこですか? この頃姿を見かけませんけど」
「うむ。キラには他の任務で出てもらっている。時間はかかるじゃろうが、まぁ危険はないじゃろう」
「……憶測ですか?」
「憶測でしかない」
あのキラさんが無事に帰れるかわからないところ……?
まぁまぁ予想がつきませんけど……。
パッと考えただけじゃ、全く浮かびません。
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