43日目 努力
「聞いておったのに来るのは2日後かの」
「リブレさんを放っておくわけにはいかないじゃないですか」
ケインさんに更に話を聞いたところ、プリンセちゃんも呼ばれているという事で2人でくることにしたのです。
が、その間リブレさんを放っておくわけにもいきません。
ので、ハンネさんにリブレさんを移動させることのできるものは作れないかとお願いしたのです。
すると、椅子の下に車輪がついたものを即興で作ってくれました。
どうやって乗せようかと思いましたが、プリンセちゃんがひょいと運んでくれました。
私が運ばれた時も思いましたが、小さい子がリブレさんくらいの人を軽々抱えるのは中々な光景でした。
「ふむ、少し痩せたか?」
「いえ、ハンネさんのおかげで栄養は取れているので痩せてはないんですけど。ちょっと筋肉が落ちましたかね」
こうしてみると、リブレさんが毎日地味に欠かさず行っていた努力は無駄じゃなかったんだと感じますね。
元々が細かったのであまり印象はなかったですけど、ちゃんと筋肉あったんだなと。
「何回でもいいから毎日やるのが大事」と言い訳のように言っていましたが、実は相当難しいことだと思います。
「まぁ、よい。本題に入ろう。まず、プリンセ嬢」
「……なぁにー?」
「お母様がおいでだ。そこの廊下を右に……」
バァン!!
道案内を聞くことなくドアを蹴り開けて行ってしまいました。
「あれは大丈夫なのかの?」
「右であるとこまでは聞いてたでしょうし。あとは匂いとかで何とかなるんじゃないですか?」
よっぽど無理だったらここまで戻ってくるでしょう。
しかし、父親には全く反応していませんでしたが、母親にはあの反応。
お父様の苦労がしのばれます。
「で、レイン嬢」
「はい」
「今回の件でレイン嬢は序列が上がると予想される」
あ、その話でしたか。
もう忘れてましたよ、序列。
「私が上がるという事は、リブレさんも上がりますよね?」
「いや、それはない」
「なぜです?」
「序列は、戦闘を行える状態にあるものが変動できるからじゃ」
「つまり、寝たきりになっているリブレさんはその範疇でないと?」
確かに、戦闘能力はないですけど、一番の功労者が何もないというのは……。
リブレさんは嫌がりそうですけど。
「じゃが、もちろん起きればその分は反映される」
「そうですか」
序列は協会が決めているらしいですが、やはりリブレさんが言っていた実際は神様が決めている説が濃厚ですね。
リアルタイムで序列持ちの生死なんて普通把握できませんし、ましてや生きていて戦闘可能かなんて無理です。
「へっくしょいっ!!」
「おぉ、びっくりした。神様でもくしゃみなんてするんだな」
「お前のとこのはしないだろうけどな。俺はほら、一応ここの世界の奴らの延長線上だからな」
「なるほど、ヘスティアさんはしなさそうだ」
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