ガンギマリメイド

その後、どんな尋問やりとりが行われたかについては想像するしかない。

なぜなら俺に頭を下げ、トロワを2人がかりでアンとドゥが連れ去ったあと、1時間の行方を俺も知らないのだ。


しかし、推測することはできる。

一応3人揃って戻ってきていたのだが、戻ってきたトロワの顔がキマッていた。

動画で出すならセンシティブで18禁になる感じのキマり方だった。

要するにえちちだ。


この事から鑑みるに、アンとドゥはメイドの技術を駆使して抗うトロワを屈服させたのだろう。

見たかったような気もするが、見てしまったら新たな扉を開いてしまったような気もするから見なくてよかったのか。


とにかく、表情だけでえちちだったため、働きに来ている少年たちには刺激が強く、ヤバそうだったので一度休ませた。


「……俺を通したとしても、チャンスがあると思うなよ?」

「「!!? いえ、滅相もない!!」」

「その伸びた鼻の下をどうにかしてから言え」


無防備に出てきたトロワに責任の一端があるとはいえ、自分のメイドが色目を使われるのもあまり気持ちの良いものではない。

たとえ、自分以外になびかないとわかっていたとしてもだ。

ほんと、俺は特にそれを視れる立場にあるのにこう思うってことは、一般人はさぞかし心配だろうな。


「アン、ドゥ。こいつらは使えるか?」

「はい、ご主人様。皆さん知識はありませんが、頭は悪くありません。単純作業ならすぐに覚えてくれるので助かっています」

「さらに、この頃少し筋肉もついたようで、力仕事も少しずつこなせるようになりつつあります」


現場に出している組もメイドたちが認めるくらいには戦力になっているようだ。

それでこそ、わざわざ採用した甲斐がある。



「主!」

「あぁ、来たな。こっちだったか」


みんなが働いている机の横のソファーでスヤスヤと眠っていたオーシリアが起きて俺の背中によじ登る。

それと同時にスルー・アイが発動。

家の外を確認する。


「これはこれは。お客さんがいっぱいだな」


俺の様子からメイドたちは戻ってきていたトロワも含め、状況を察する。

そして察しているのがもう1人。


「……向こうは大丈夫なの?」


リアーネである。


「あぁ。メガネ領主の部下が見張ってくれてるからな。確認にもいったが、ちゃんとやってるみたいだったし」


謝罪として、孤児院の見張りを申し出てくれたので頼んだおいたのだ。

これで、こっちに集中できる。


「お前らは、家から出るなよ。ここが一番安全だからな」


ステッド・ファストのいいところは一度だしたらその時に消費するMPだけでいいことである。

つまり、どれだけ長い間展開していても追加でMPが必要になることはないのである。

そして、MPは眠れば回復する。


それを利用して俺は家の壁という壁から周りに至るまで何重にもステッド・ファストを重ねてきた。

もはや俺すら何枚かけてるのかわからなくなるくらいに。


「バンフリオン様は如何しましょう」

「もう少し寝させてやれ。疲れてるだろうからな。2人、俺と来い」

「「はい」」


スッとアンとドゥが出てくる。

トロワにばかり良い格好はさせられないということだな。


さて、リオンが起きるまでの時間稼ぎでもしましょうかね。

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