操を守れ!
事態の収拾をアンリさんに頼んだ後、3日寝込んだ。
はぁはぁ言いながらどうにか俺のお世話をしようとするメイド3人をどうにか休ませる。
依存性が高い媚薬みたいなのを投与されてるのに俺をお世話しようとするのはどうなのだろうか。
「いえ、私たちはワンチャンス狙ってるだけですので……!」
「力を込めて言うな。ワンチャンスないから」
少しなりを潜めていた俺(の体)に対する積極性が爆発している状態である。
正直、同じ部屋にいるのが怖い。
ただ、世話をしてくれているのがリオン1人なのでそう贅沢も言えない。
「大丈夫じゃ、主。主の貞操はわしが守るのじゃ」
「なんかもう情けなくなってきた……」
見た目幼女に貞操の心配されるとか……。
見た目を幼女に指定したのは俺なんだけども。
こいつは結局睡眠は必要ないからな。
ずっと起きずに俺の身を守ってくれている。
「ほら、リブレはやっと復活してきたんだから無理させちゃだめだよー」
特にどこが悪いという事もなかったのだが、なぜか熱だけが出ていた。
体温計などもないので正確な体温はわからなかったのだが、俺自身の平熱が高いことも考えると39度くらいあった気がする。
3日経ってやっと落ち着いたのだ。
「悪いな、リオン。食べさせてもらって」
「ぜ、全然そんなことないよー。ほら、あーん」
熱があるときは体の節々が痛く、腕を上げるのも億劫だ。
よってある程度元気なリオンに食べさせてもらっているのだ。
最初こそこっぱずかしかったが、もう諦めた。
体調が悪い時は誰かに頼るのが一番なのである。
「リオンも体は大丈夫か? まだ薬は抜けてないんだろ?」
「う、うん。大丈夫だよー。メイドちゃんたちに比べれば軽い方だからねー」
「そうか? 無理だけはするなよ?」
「う、うん」
頬は上気してるし、影響も皆無ではないのだろう。
「アンリさんの方はどうだ?」
しゃべれるようになったのが今日起きてからなので何も知らない。
「うん、えっとねー。とりあえずみんなに説明はしたみたいだよ。で、他の偉い人たちにどうするかを決めてもらってるみたい」
やや言葉足らずだが、領主のしていたこととその領主が死んだことを諸侯に説明して、この後ここの統治をどうするかを話し合ってもらっているということかな。
まぁ、いきなり領主が死んだから俺が統治するとか言っても反感買うだけだしな。
アンリさんにとってマイナスがない話だから強く出る必要もない。
ただ、あんなのがトップで成り立っていた領地というのを考えると、どんな奴がいるかわからないから何とも言えないけどな。
とりあえず、あれでもこの世界を治める神様だ。
俺なんかが心配するようなことは何もないだろう。
そんなことを考えながら俺はまた眠りに落ちるのだった。
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