結婚沙汰多すぎだし面倒
「まず、領主ってのは何人いるんだ?」
「10人だよー。だから友好的なのはあと1人で、他は私のことが嫌いだねー」
「なら次は、好意的じゃない方に行くべきだろうな」
「なんでー?」
「だって嫌だろ。残り全員自分を嫌ってる奴のとこに行くのは」
好意的な方に先に行って、あとは嫌な奴らという行き方もあるだろうけど。
俺は無理だ。
メンタルがもたない。
リオンはそれでもいけるっぽい鋼のメンタルだけども。
「じゃあ、どこから行こうかー」
リオンが地図を広げる。
ちなみにここは領主様からあてがわれた一室である。
常識的に考えて
リオンの「弟君は私と一緒に寝るんだよ!」という強い主張に押された領主様が一部屋にしてくれやがりました結果だ。
なんか、こう。
危機感を感じる。
レインとプリンセはまぁ、女の子だが小さい。
2人とも超絶美少女だが、何度も言う通り、俺はロリコンではないので理性が崩壊することはなかった。
ん?
美少女と美幼女相手に理性が試されている時点でヤバいのか?
……。
深くは考えないでおこう。
「ねぇー、聞いてるー?」
「え、あぁ、聞いてなかった。ごめん。謝るから前かがみで近づいてこないでくれ」
「? なんでー?」
俺が前かがみにならざるを得なくなるからだよ!
こぼれそうなんで!
見えちゃいそうなんで!
勘弁してください!
「いいから! で、なんて言ってたんだ?」
「えっとね、次はこっちに行くのはどうかなって言ったんだよ」
「その心は?」
「ここの領主はね、悪い人じゃないんだけど、自分が閻魔大王になりたかったんだよ。でも、パパに負けちゃってなれなかったから、今は自分の息子をならせようとしてるんだー」
「うん」
「で、そのために私と結婚させようとしてるんだよー」
「なるほど、権力者の娘への婿入りだな」
聞かない話ではない。
いや、まぁ、ド庶民の俺からしたら身の回りである話ではないけども。
「うん、で、私も嫌だからー」
「先に終わらせておきたいと」
「そういうことー」
気持ちはわからんでもない。
俺の身近には求婚されてる奴が多すぎないか?
ん?
いや、レインとリオンだけか。
なんか2人のイメージが強すぎるだけか。
リオンに関しては今知ったので2人目だし、親が関与してるけどな。
「そいつのとこはここから近いか?」
「うん。お隣さんだねー。まぁ、ここに来るまでよりは短い時間でいけるかなー」
「よし、じゃあそこに行こうか」
実は、ここに来るまでには4日ほどかかっている。
街を出るところで行商人の馬車を捕まえ、リオンの顔パスで乗車。
麓まで連れてきてもらうのに3日かかり、そこから謎のロープウェイが精神をむしばむかのように10時間ほどかかった。
うん、あの監禁状態はきつかったな。
いくらあの籠の中に食料までいれてくれていたとしてもきつい。
閉所恐怖症になるところだった。
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