罪は累乗するかもしれない
「ふぅ、ふぅ、ふぅーー……」
あまりの衝撃に大声を出してしまい、筋肉痛にひびいて悶絶から落ち着くまで数十秒を要する。
「こりゃだめだ……。ほんとに無理だ……」
「そ、そんなになの……?」
プリンセも俺の必死っぷりに引いてる。
そんなことよりも!
ただでさえ犯罪臭凄いのに。
女性が二人いるというだけならハーレム万歳! ってだけなのだが幼女が二人になってるっていうのは犯罪の大きさが2倍どころか何倍にも膨れ上がっている気がする。
いや、実際は片方は杖なんだけどね!?
わかってるけどちょっと考えちゃうよね。
「んゅ……? リブレさん、この人だれ?」
プリンセはそれまでオーシリアの存在に気づいていなかったようだ。
プリンセが気づいてなかったってことはオーシリアには気配というものがないのかもしれない。それににおいもだな。
元は木なんだからそういうにおいがあるのかもしれないとは思ってたけど俺の鼻が悪いだけじゃなかったか。
「よくぞ聞いてくれたの! わしこそは由緒正しきアシスト・ロッドの化身、主からオーシリアと名を受けたものじゃ!」
「あ、そうなのー? リブレさんの仲間ってことだね? よろしくー」
「……反応薄くないかのう? わしが堂々と名乗ったのがかなり気まずいじゃろうが……」
前から思ってたけどプリンセって基本的にリアクションが薄い。
視たところ{驚き}はちゃんとあるっぽいけど、全然外に出ないよな。
「う、あいたた……」
「ほんとに大丈夫? リブレさん?」
「あぁ。久しぶりに会えたのに悪いけど、俺はこんな感じで動けそうにないんだ。
家のことは自分でできるか?」
「うん、大丈夫だよー。この3週間くらいわたしはここに住んでたからねー。1人でいろいろ出来るようになったよ。そうだ! ご飯も作ってあげる!」
なんと、この3週間でプリンセの家事スキルは磨かれていたのか。
レインもそうだが、将来いいお嫁さんになるだろう。
この年で家事ができるようになっているのはかなり大きいだろう。
家事なんて一回覚えれば一生ものだしな。
確かに家に帰ってきたときに綺麗だなとは感じてたけど……。
「家の掃除もか?」
「わたしがやったよー」
「えらいぞプリンセ! あいてててて……」
いつものノリでプリンセの頭を撫でようとするが、腕が上がらず悶絶する。
「無理しなくていいよ……。今日はわたしがリブレさんのお世話をしてあげる!」
「本当に助かる……」
6歳の幼女にお世話される俺……。
あ、今さらか。レインも10歳の幼女だったわ。
プリンセがまたもぞもぞと布団の中に戻っていったので二度寝するのかと思ったら、俺の手の辺りに移動し、自分で頭をポンポンと手に当ててから満足げな顔で布団から出てとたとたと部屋から出て行った。
可愛いかよ……。
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