てこって実はけっこう便利だよね

まぁ要するに動きを止めればいいんだろ?

「リヴィ・バインド」

ツタを大量発生させ、動きを封じにかかる。

「なんだ?これは…」

とか言ってるうちにツタに飲み込まれていった。あれ?こんなあっさりいく?今まで抵抗しなかった奴いなかったから逆に拍子抜けだな。


「おー凄いね弟君。でも、それじゃ無理だと思うよー?」

そうなのか?なんかツタの中でもごもご言ってるのが聞こえるけど…。


ドオオオォォォン!!


見てたらツタの中から火柱が立ち上る!

あぁ、そりゃ無理だわ。所詮ツタだし。

ツタを燃やせるような能力持ちにはかなわないのである。

それにしても凄い火力だー。いや、凄いとは思ってるよ?思ってるけども、あの水蒸気爆発が記憶に新しいうちは大抵の爆発では素直に感心できないだろうな。


というか今気づいたけどリオンとあの青年も二つ名ダブル持ちか?あんなのが普通にできるわけないし、リオンはリオンでかなり効果範囲の広い偽装をしているわけだし。

「この魔法は…、俺の見たことがない魔法だな…。何者だ!?」

あ、俺の存在ばれた。

「どうする?」

「無視しといていいよー。どうせわからないわけだしー」

それもそうか。つくづく便利だな、リオンの偽装。


さーて、どうしようかなー。

「どうふるー?」

ん?なに食ってんだリオン!俺が丹精込めてついた餅勝手に食ってんじゃねぇよ!なんでついた本人より先に食ってんだよ!

くそ、俺も食う。

「上手い…」

米が良い米だったんだろうな。そのままでも十分すぎるほどうまい。

「おいしいねーこれ」

「そうだな。これはうまい」

いや落ち着いてる場合か!むこうで青年がなんかずっと言ってるのに放っていていいのか。


あ、餅使えばいいじゃん。

はい、俺が送る3分でできる餅を飛ばす装置講座。

まず、ある程度安定した高さのあるものを地面に固定します。次に、長い板をだいたい真ん中からわかれるように置きます。そして、端っこにお皿をくっつけます。終了。

まぁ、要するにてこだな。3分もいらんかもしれん。


だが、これだけでは相手に当たるかわからない。飛ばす用の餅の重さを測り、同じような重さのものをセットする。

第一射、適当にセットした奴は青年の遥か向こう側に飛ぶ。

第二射、さっきのを鑑みてセットした結果、今度はちょっと手前に落ちた。

ちなみにリオンには食べるのをやめさせて矢を射ってもらっている。むしろてこを作るよりリオンに餅を食べるのをやめさせる方が時間がかかったわ。食い意地張りすぎだろ。

さすがに俺がてこで飛ばしてるのがなんの危険性もないものなので、注意が矢にいくから調整には目を向けられていないと信じよう。


だいたいの飛び方はわかったので餅をセットする。

手にくっつくだけであれだけ不快になるんだから、頭から被ったらどのようになってしまうのか。考えるだけで楽しみである。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る