食事の邪魔されるとほんとに嫌だよね

「人のなぁ、食事という娯楽の時間を邪魔したら罰が当たるぞ!」

俺が邪魔されて腹が立っただけだが。

「うーん、それは相手には聞こえてないかなー。こっちの存在偽装かかってるからー」

え、じゃあなに。今の全部独り言として処理されるわけ?それは恥ずかしい。よくわからんことを言ってたような気がする…。


「で、リオンにとってあれはどういう相手?敵?」

「んー、敵っていうわけじゃないんだけどー。あんまり見つかりたくない相手になるかなー」

敵ではないのか。よくわからんな。

まぁ一飯の恩もあるわけだし?ここは手助けしないとなー。


「いっつもこんな感じでみつかってるの?」

「そうだよー。毎回矢を射られて、バリアで空中で止まっちゃうから絶対にここだってばれちゃうんだよねー」

まぁ、あの矢が空中で止まってる図は傍から見て普通に異常だからな。どういう原理で止まってるんだ?あれ。


「じゃあいつもはどういう対応してるんだ?」

「うーん、居留守?」

いや、よくそれでここまで隠れてこれてるな!あんな決定的な証拠あるのに!

「まぁー、最終的には相手を気絶させてから転移魔法で家ごと移動するってことになるんだけどー…」

そうだよね!?居留守なんか通じるはずないからね!?

「なんかー、毎回時間がかかっちゃうんだよねー。ここから出たら姿がばれちゃうから出たくないんだけど、出なかったら矢は当たんないし。当たるまでやってると冗談抜きで丸一日かかっちゃうんだよねー」

下手すぎんか!?そんなに当たんないことある?


「はぁー、幸い相手は一人だし、どうにかなりそうなもんだけど…。ちなみに聞いとくけどいつも来るのってあいつ一人?」

「無駄な抵抗はやめて、出てきなさーい」

うるさいな。

「そうだよー?いつも一人で来るんだ」

「出てきなさーい」

いや、うるさっ!よく毎回逃げられてるのにあんな感じでこっちに言ってこれるな。


「で、あれは止めちゃってもいいのか?」

「そうだねー、あんまりけがはさせたくないんだけどー」

ふーん、知り合いかなんかなのかな。とはいってもな。俺に長距離攻撃なんかないわけだし。そもそも攻撃ってものが存在しないまであるけど。ということはリオンに攻撃を任せるしかないわけだが、リオンの矢が当たんないわけだしな。どうすりゃいいっちゅうねん。


「なぁ、リオンって攻撃手段は弓矢しかないわけ?」

「んー?あるにはあるけど遠距離はないかなー。全部近距離だよー。そもそもそっちが主体なわけだしねー」

なるほど。ってことは、

「弓矢自体はこの生活になってから…?」

「うん、偽装状態から出ないために始めたのー」

そりゃ下手なわけだ。にしても下手すぎるけど。その代わりに近接戦闘に特化してるんだろう。


ということは相手の動きを止めてしまいさえすればリオンがどうにかしてくれるってことか?

こんなことを考えてるうちにもリオンが一発一発狙いを定めて射ってはいるが、全く当たる気配がない。相手の青年(?)も避ける気配がない。当たらないってわかってるんだろうな。あれも青年の見た目をしてるけど実はリオンみたく年齢が凄いかもしれないな。


さて、あいつを止める手立てを考えなくちゃな。それにできれば視界も塞ぐことが望ましいって感じかな。よし、どうしようかな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る